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翻訳の仕事に関連する雑談


歩くことで国際協力ができる「Walk in Her Shoes」というプログラムに参加しました

 同業者数名が「Walk in Her Shoes」というプログラムに参加していることを知ったのが2週間ほど前。紹介されたリンク先を読んでみると、参加費(1,500円~2,000円が寄付として使われる)を払って登録し、日々歩いた歩数をWeb上で報告するだけでいいとのこと。参加者が歩いた歩数に応じて、特別協賛企業が寄付を行ってくれるらしい(1,000歩につき1円)。世界には1日約8,000歩、水を求めて毎日歩く女性や子どもたちがいるとのこと。彼女たちが毎日歩く距離を歩くことで、国際協力しようという趣旨のプログラムらしい。

 1年間で約1,000キロを歩くことを目標にほぼ毎日ウォーキングをしている私としては、自分の健康のために日々行っている行為が少しでも国際協力になるのであれば、是非参加したいと思った。Walk in Her Shoesは、個人でもチームでも参加できるらしく、私も同業者のチームに入れていただいた。1チーム5人までで、メンバーの歩数が合算してもらえるらしい。5人で8,000歩であれば、おそらく毎日達成できるだろう。

 Walk in Her Shoesへの参加手順は以下のとおり。

  1. Walk in Her Shoesのサイトで「今すぐ!参加する」をクリックする。
  2. 表示されたページで、A~Cの参加費(1,500円~3,000円)のいずれかを選んで登録を行う。
  3. 登録の確認メールが届く。
  4. 再度Walk in Her Shoesのサイトで「歩数を報告する」をクリックする。
  5. 表示されたページで「新規登録」をクリックして、ニックネームやパスワードなどの設定を行う。
  6. 新規登録が完了したら、再度「歩数を報告する」をクリックし、メールアドレスとパスワードを入力して、「ログイン」をクリックする。

    1. 2,000円の参加費で送られてくるWalk in Her Shoesの缶バッヂとステッカー2,000円の参加費で送られてくるWalk in Her Shoesの缶バッヂとステッカー

       これで、日々の歩数を報告できるようになったので、あとは「歩数を報告する」ボタンで日々の歩数を報告するだけである。参加費は確定申告時に寄付金として控除してもらえるらしい。ウォーキングや散歩を日課にしている翻訳者のみなさん、このプログラムに参加してみませんか。

『舟を編む』と『LEADERS』と世の中で最も幸せな人間

 ずっと観たいと思っていた『舟を編む』をようやく観る。仕事でも趣味でも日ごろお世話になっている辞書。その辞書の編集に携わる人たちを描いた映画ということで、公開当時から観たいと思っていた映画である。

 営業部では今ひとつさえなかなった馬締光也が辞書編集部に移動し、水を得た魚のように生き生きとし、辞書作りに没頭していく様子はうらやましくもあった。仕事に没頭できるということは幸せなことである。ビートたけしさんのことばを借りれば、「世の中で最も幸せな人間は、何よりも仕事が楽しい人、つまり「仕事=遊び」の人」らしい。そのとおりだと思う。残念ながら、仕事が何よりも楽しいということはないが、休みなしで毎日仕事をしていてもそれほど苦にはならない。サラリーマンをしていたころは、日曜日の夕方になると憂鬱な気分になっていたことを考えると、馬締君には遠く及ばないにしても、幸せな生活を送れているのかなと思う。

 『舟を編む』を観ていてあるドラマが思い浮かんだ。先日放映されたトヨタ自動車をモデルにした『LEADERS』というドラマである。このドラマの主人公の愛知佐一郎は寝ても覚めても国産自動車を作ることばかり考え、誰もが無理だと言った初の国産自動車の開発に成功する。それは、仕事というよりも、自分の手で日本人の自動車を作るのだという挑戦(=遊び)であるとも言える。モデルはトヨタ自動車創設者の豊田喜一郎氏らしいが、この人も世の中で最も幸せな人間のひとりだったのだろうと思う。このドラマの中で主人公の愛知佐一郎が「無限動力」について次のようなことを語っていた(台詞は不正確)。

もし無限動力というものがあるとすれば、それは人間が情熱を燃やし続けて努力を続けることだ。そして困難に挑む情熱が次の世代へと絶えず受け継がれていくことこそが無限動力である。

 このドラマはあくまでもフィクションらしいので、豊田喜一郎さんがこのようなことを言ったのかどうかは知らないが、これまで世の中を変えて来たのは、そしてこれからの世の中を変えていくものは、こういった人たちの情熱なんでしょうね。

 日々ことばと格闘しことばと関わっている翻訳者として、辞書作りの大変さを描いた『舟を編む』はとてもおもしろい映画だった。DVDを借りたTSUTAYAでは、この映画を恋愛映画に分類していたが、どう考えてもこれは恋愛映画ではないと思う。私としては「最も幸せな人間」映画に分類したいところだが、そんな分類は却下されそうだ。

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つかみは OK(自己紹介のコツ)

 先日図書館でおもしろそうな本を見つけたので借りてみた。タイトルは『また会いたい!と思われる 自己紹介のルール』。近々同業者の勉強会があり、そこでちょっとした発表をする予定になっていたので、この本を読んでおくと役に立つかもしれないと思ったのだ。

 この本で紹介されていた簡単に実践できる印象に残る自己紹介のポイントは 2 つ。1 つは、名前の紹介をするときに漢字を 1 文字ずつ説明すること。たとえば、国城 鶏侍なら、「国語の国に大阪城の城で『くにしろ』、養鶏場の『鶏』に『さむらい』と書いて『けいじ』と読みます」という感じで紹介するといいらしい。もう 1 つは、自分が提供できるものを簡単に紹介すること。仕事に関することでも趣味に関することでも何でもいい。たとえばラーメンが好きな人なら「ラーメンが大好きなので大阪のラーメン屋に関することならだれよりも詳しい自信があります」でいいらしい。

 先日行われた同業者の集まりで、早速この本で覚えた自己紹介のルールに従って自己紹介をやってみた。名前と漢字を 1 文字ずつ説明したあと、「前職が眼鏡屋なので眼鏡については詳しいです。たぶん日本で唯一の眼鏡翻訳者です」とやったら、笑いが起きた。とりあえず、つかみは OK だったようである。本のタイトルどおり「また会いたい」と思ってもらえたかどうかはわからないが、また機会があれば別のパターンでやってみようと思う。

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今月で満 10 歳

 インターネットを通じて知り合った人に初めて会って名刺交換すると、「くにしろさんって本名じゃなかったんですね」とよく言われる。自分ではそんなこと考えたことなかったのだが、確かに苗字だと思われても仕方がないハンドル名である。最近は、インターネットを通じて知り合った人との付き合いが増え、本名よりもくにしろという名前で呼ばれることのほうが多くなった。時々、くにしろが自分の本当の名前だと錯覚することもある。

 くにしろというハンドル名でホームページを作ったのがちょうど 10 年前の 3 月。この名前でインターネットデビューしてから今月で丸 10 年経ったことになる。当時のサイト名称はKunishiro's Website。ホームページビルダーで作った素人感丸出しの何でもありのサイトだった。当時はまだブログなどいうものは存在せず、「◯◯'s ホームページ」という名のサイトがゴマンと存在していた。いずれも、ペットの写真やら趣味のことやら、いろんなものをごっちゃまぜにしたサイトだ。だれがそんなものを読みたいかというような内容のものが多く、Kunishiro's Website もそんなサイトの 1 つだったと思う。

 その後サイト名を Translation Room 9246 とし、内容も自分の生業である翻訳のみを対象としたものに変えた。この Diary 9246 は「徒然なるままに」というタイトルで始めた Kunishiro's Website の日記コーナーで、定期的に更新できるコンテンツとして始めたものである。途中で、「Diary 9246 :: That's 談」という名前に変えて独立したサイトとした。途中で長期的に休んだりしたこともあったが、よく 10 年間書き続けてこれたなあと思う。

 10 年前にホームページを作ったときに安易な気持ちであまり深く考えずに「くにしろ」という名前を使ってしまい、もっとかっこいい名前にすればよかったと思ったこともある。しかし、今では「くにしろ」「kunishiro」「9246」で検索してくださる方も多数いる。また同業者を中心に、多くの方に「くにしろ」と呼ばれているので、今さら名前を変えることもできない。考えてみれば、人生の 5 分の 1 を本名とくにしろの 2 つの名前で生きていることになる。いつもくだらないことしか書いていないが、あと 10 年書き続けて無事成人式を迎えられたらいいなと思う。

 いつも読んでいただいてる皆さん、ありがとうございます。おかげさまで 10 歳になりました。

初めての広島

 国内最大級の翻訳イベントに参加するため、生まれて初めて広島を訪れた。滞在期間は 6 月 1 日 ~ 4 日の 4 日間。ここ数年、元日のエントリで、「今年やりたいこと」として必ず「広島に行く」という目標を掲げていたのだが、今回のイベントのおかげでようやくその目標を達成することができた。今回の広島訪問の主目的は翻訳イベントだが、このエントリでは観光面にスポットを当てて書く(翻訳イベント IJET 23 Hiroshima については、Memo 9246 のエントリ「IJET 23 Hiroshima に参加しました」に書いています)。

 広島に到着したのは、6 月 1 日の午後 3 時ごろ。宿泊予定のコンフォートホテル広島までは歩いて 30 分ほどかかるとのことだったが、ウォーキングに最適な距離でもあり、時間的にも余裕があったので歩くことにした。地図を見ながら、路面電車伝いにホテルを目指す。路面電車が走る街というのはなかなか風情があっていい。重い荷物を持っていたことと、多少道に迷ったこともあって、1 時間弱かかってしまった。

広島の路面電車

 ホテルでしばらく休憩したあと原爆ドームを見に行くことにする。フロントで「原爆ドームは何時までですか?」と聞くと、「原爆ドームは 24 時間見られます」と言われる。「平和記念資料館は何時までですか?」と聞くべきだったようである。地図を頼りに 10 分ほど歩くと、目の前に原爆ドームが現れる。そこだけ時間が止まっているかのような空間だった。67 年前に、ここに実際に原爆が落とされたのかと思うとしみじみとした気持ちになる。

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ついに京都に到着

 数日前から、どうも「やる気なし」モードに入ってしまったようである。仕事に限らず、あらゆることに対してやる気が起きない。自分の場合、何がきっかけでやる気なしモードに入るのかはよく分からないのだが、昨年末からずっと忙しくしてきたことの反動なのかもしれない。幸いなことに、現在急ぎの仕事は入っていないので、焦らずにゆっくりやりながら、通常モードに戻るのを待つことにする。

 昼ごはんは、ウォーキングを兼ねて和喜亭というラーメン屋に行く。今日みたいな暑い日は冷麺が食べたい。メニューに冷麺の文字を探すが、残念ながら冷麺はやっていないようである。「冷麺はやってないんですよねえ」と店員に確認すると、「ざるラーメンはどうですか」と奨められる。仕方がないのでざるラーメンを注文する。中華そばを和風の出汁に漬けてネギとわさびの薬味で食べる、和中折衷の食べ物だ。初めて体験したざるラーメンはなかなか美味だった。並盛でも 1.5 倍の中盛でも値段は同じ(450 円)。カロリーのことを考えて並盛にしたが、この選択は大失敗だった。具が何もないので、3 口ほどであっという間に食べ終わる。次は絶対に中盛りにするぞ。

和喜亭のざるラーメン

 今年から始めた東海道五十三次ウォーキングの累積歩行距離が、今日ついに 495.5 km に達した。江戸・日本橋から歩き始めて京都三条大橋に到着したことなる。記録を付け始めた 1 月 5 日以降でウォーキングをさぼったのはわずか 3 日。飽きっぽい自分がここまで続けられたことに驚いている。明日からは折り返しで、また江戸を目指して歩くことにする。江戸から京都までは 5 カ月で歩けたけど、6 ~ 9 月の 4 カ月間は暑くてあまり歩けないと思うので、7 カ月かけてゆっくり歩く。年末までに江戸に戻ることを目指して。 


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東海道五十三次ウォーキング計画の記録

SNS 充な誕生日

 「リア充」ということばとその意味を知ったのは比較的最近である。Wikipedia によると、「リア充とは、リアル(現実)の生活が充実している人物を指すインターネットスラング」だそうだ。先日、「リア充」ということばを知らなかったあるテレビタレントが「リア充」の意味を知って、「リア充を目指してがんばる」みたいなことを言っていたが、その人はインターネットどころか、PC すらほとんど触らない人なのだ。インターネットをまったく利用しない人にとっては、バーチャルとリアルの区別なんてないわけだから、その人が目指すべきは単に「充実」だと思うのだが・・・・・・。

 今日は私の 52 回目の誕生日。別にそのことをアピールしたわけでもないのに、日ごろツイッターやフェイスブックでお付き合いしている多くの方から誕生日のお祝いメッセージをいただいた。年を取るのは決して嬉しいことではないが、たくさんの方からメッセージをもらえるのは嬉しいことだ。こういうのを SNS 充と呼ぶのかどうかは知らないが、SNS が生活の一部になりつつあることは否定できない。

 フリーランス稼業を始めて今年で 14 年になる。サラリーマン時代とは異なり、仕事帰りに居酒屋で同僚とちょっと一杯なんてことは皆無である。人と会って飲んだり、仲間とどこかに遊びに行ったり、充実した恋愛をしたりしていることがリア充の定義だとすると、日ごろ誰とも会話することなく、ずっと PC に向かって黙々と作業をしている私などのリア充度はせいぜい 5% くらいのものだ。  

 私にとってリアルが充実するとは、自分が楽しむことができ、なおかつクラインアントに喜んでもらえるような質の高い仕事を適度にこなし、適度に休み、日々好きなことを腹八分目くらいにやりながら過ごすことである。

 自分のことをアラフィフと称することができるのもあと 3 年。少しでも理想のリア充、いや充実に近づけるように 52 歳の 1 年間を適度にがんばることにする。誕生日のお祝いメッセージをくださった方々に、この場を借りて再度お礼申し上げます。 <(_ _)>

よく学びよく遊べ

 今年になってまだ 2 日間しか休んでいない。昨年の 12 月から大型の長期案件にずっと取り組んでいるからだ。休むことなく毎日働いていると、やりたいことがどんどん溜まってくる。そして、やりたいことが溜まってくると、それに対する思いがどんどん強くなってくる。

 今の仕事が終わったら、まずやりたいことは、『ALWAYS 三丁目の夕日 '64』を観にいくこと。前作と前々作は、まだ自分が生まれていない時代の話だったが、今回の作品は自分が実際に存在していた時代を描いているので、とても興味がある。また、一度 3D 映画を観てみたいという願望もあるので、是非 3D 版を観たい(先日 TV で放映していた『アバター』のような映画を 3D で観たら、高所恐怖症の私は気絶してしまうかもしれないので、『ALWAYS 三丁目の夕日』のような非アクションものが私の 3D デビューには適していると思う)。

 時間ができたらやりたいと思っていることはほかにもある。それは小旅行。旅行とは言っても、片道 1 時間以内で行けるような近場でいい。そういうところでちょっとした非日常を楽しんでみたい。候補地は、天王寺動物園、手塚治虫記念館(宝塚市)、姫路城、南禅寺(京都)など。特に、天王寺動物園は、旭山動物園のような形態展示の評判がよく、とても人気があるとのことなので、とても興味がある。ついでに、新世界界隈をぷらぷら歩くというというのも楽しそうだし。

 あと 10 日ほどがんばれば、いろんな楽しみが待っていると思いながら毎日仕事に励んでいるのだが、いやなことを 1 つ思い出す。確定申告だ。毎年のことだが、確定申告のことを考えると気が重くなる。本来なら、遊びに出かける前にこれを片付けてしまうべきなんだろうが、そんなことをしたら『シャイニング』のジャックみたいになってしまいそうで怖い。

 『シャイニング』とは、ジャック・ニコルソン主演のホラー映画。小説家志望のジャックが、冬期には閉鎖されるホテルの管理人として、家族で一冬山奥で暮らす物語だ。山奥のホテルで小説の執筆に励んでいたジャックは、毎日タイプライターに向かって同じ文章を延々とタイプしていた。その文章は、All work and no play makes Jack a dull boy(勉強ばかりで遊ばないジャックはバカになる)。これは、日本語の「よく学びよく遊べ」に相当することわざらしい。そのあと、おかしくなってしまったジャックは、奥さんと子どもを殺そうとする。恐ろしいや恐ろしいや。

 今年は、ここまでよく学んできたので、次はよく遊ぶ時間だ。あと少し。がんばれ自分。

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終わりよければ

 今年最後の雑談を書こうと思いながら、気が付いたら 31 日になってしまった。今年もあとわずかで終わろうとしている。大きな震災があって、日本にとっては大変な年だったが、個人的にはこれと言って大きな出来事もなく平穏な 1 年だった。今年の 1 月 1 日のエントリー「2011 年にやりたいこと」に書いた 10 項目のやりたかったことを、果たしていくつ実行できたかを確認することで、今年を振り返ってみることにする。

2011 年にやりたかったこと(2011 年 1 月 1 日現在)

  1. 売上を 50% アップする(リーマンショック以前のレベルに戻す)
  2. 新しい会社と取引を開始する
  3. MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島に野球を見に行く
  4. 名古屋に遊びに行く
  5. 沖縄に遊びに行く
  6. 筋トレを続ける
  7. That's 談を 1 年間継続して書く
  8. コンピュータの勉強をやり直す
  9. 本をたくさん読む(遠近両用眼鏡を作る)
  10. 短編小説を書く

 この中で、実際にできたことは、2、6、7、9 の 4 項目だ。本当のことを言うと、10 の小説も少しだけ書き始めたのだが、急に忙しくなってただいま休止中。これについては来年に持ち越す。

 1 については、目標の数値にはまったく届かなかったが、昨年と比べて 10 % 程度はアップしたので、まずまずだったと思うべきだろう。それと、今年の売上には反映されなかったが、12 月になって 3 カ月間の大型案件を受注できたので、終わりよければすべてよし。おかげで、この年末年始は、ゆっくりする時間が取れないが・・・・・・。2 については、新たに 4 社と取り引きを開始できた。今後も続くかどうかはわからないが、この結果については大満足。

 2、3、4 の遊び関係はまったくだめ。どこにも行けなかった。来年は絶対に広島に行くぞ。6 と 7 は、どうにか続けることができた。継続が苦手な自分としては大満足である。That's 談は、8 月に途切れそうになったが(実際に 8 月は 2 回しか書いていない)、どうにか乗り切れることができた。厳密言うと、2010 年の 11 月から継続しているので、現在 14 カ月間継続中。自己記録を更新すべくがんばる。

 9 の読書については、どの程度読めばたくさん読んだことになるのかはわからないが、まずまずの量を読んだと思う。今年最大の読書は『スティーブ・ジョブズ』。上下巻合わせて 900 ページ弱。これだけ長い本を読んだのは久しぶりだ。

 来年は、遊び面を絶対に充実させるぞと心に決めて、今年最後の雑談を終わります。普段 That's 談を読んでくださっている皆様、1 年間ありがとうございました。どなた様もよいお年を。

おとなに人気の伝記(スティーブ・ジョブズ)

 少し前のエントリー「こんなところでもイチロー」で、最近の子どもたちに人気がある伝記はイチローとヘレン・ケラーの伝記であることを書いたが、最近おとなの間で大人気の伝記と言えば、スティーブ・ジョブスの伝記である。私は、流行ものにはすぐに手を出さないタイプの人間であり、世間で大人気だと聞くと、逆に「流行に躍らされてなるものか」と思ってしまうへそ曲がりな面がある。これまでアップルの製品を使ったこともなく、アップルのファンということもなかったため、スティーブ・ジョブスの伝記に特には興味はなかった。

 しかし、ツイッターで、『スティーブ・ジョブス』の著者である井口耕二さんの翻訳がすばらしというツイートを何度も目にするにつれて、だんだん読みたいと思うようになる。同業者だけでなく、一般の方も「翻訳がすばらしい」と絶賛していたからだ。翻訳者を目指して修行していたころから、井口さんのことは翻訳フォーラムの主宰者 Buckeye さんとして知っていた。翻訳者の間では超有名な方である。翻訳の勉強という意味でも、やっぱり読んでおくべきだと考え直し紀伊国屋書店に走る。

 私などが、井口さんの翻訳を批評するのはおこがましいのだが、ストレスを感じることなくすいすい読める文章である。しかも、読み進めるにつれてどどんどん読みやすくなる。最近ますます老眼が進行し、本を読むのがおっくうになっている私が、上下巻合わせて 900 ページ弱の本を一気に読んでしまうほどおもしろく、にわかに、スティーブ・ジョブズのファンになってしまった。最近スマホユーザーになって喜んでスマホを使っている妻に、「そんな便利なものが使えるのも、ジョブズのおかげやで」などと言うほどだ。

 上巻(『スティーブ・ジョブズ I』)は、自分が創業したアップルをジョブズが追われるまでの話。下巻(『スティーブ・ジョブズ II』)は、ジョブスがアップルに復帰して、iMac を皮切りに、次々とヒット商品を生み出していく過程を描いている。私が PC を初めて買ったのが 1998 年。このあたりのことからはリアルタイムで知っていたので、開発の基盤となった思想や裏話は興味深かった。iMac、iPod、iPhone、iPad などで、ライバル会社をあっと言わせ、立場を逆転させていく様子を読んでいると、『難波金融伝・ミナミの帝王』の銀ちゃんこと万田銀次郎が、悪いやつらにほえ面をかかせるべく、逆襲を開始するときのような爽快感がある。

 スティーブ・ジョブズの伝記を読んで、心に残ったフレーズは「洗練を突き詰めると簡潔になる」だ。これは、IT 製品に限らず、すべてのことに当てはまることだ思う。仕事、人間関係、その他人生のもろもろのことは、何事も洗練を突き詰めると簡潔になるんだと思う。何事も難しくしてしまう私にはなかなかできないことだが。

 井口さんはご自身のブログで(『スティーブジョブズⅠ・Ⅱ』-誤訳の指摘)で、誤訳であると指摘された箇所について解説されている。こういう一流の人でも誤訳することがわかってある意味ほっとした。そして、人間誰しも自分の間違いは認めたくないものであるが、間違いは間違いと謙虚に認める姿勢はすばらしいと思う。私もこういう謙虚さを見習わないと。私は書籍の翻訳を経験したことはないが(ビジネス雑誌の記事を訳し、訳者として名前を記載してもらったことはあるが)、いつの日かこういうベストセラーを訳して、印税をがっぽがっぽしてみたいものである。


スティーブ・ジョブズ Iスティーブ・ジョブズ I
ウォルター・アイザックソン 井口 耕二

スティーブ・ジョブズ II スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則 スティーブ・ジョブズ名語録 (PHP文庫) アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝 ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録

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