手帳に書くことは未来それとも過去?
「デジタル製品全盛でも...手帳が多様化、根強い人気(@神戸新聞)」によると、ここ 4 ~ 5 年、昔ながらの紙の手帳がよく売れているとのこと。iPad やスマートフォンなどの流行で、最近はスケジュール管理もそういった電子機器でする人が増えているのかと思っていたが、そうでもないようだ。どんなものでもデジタルのほうが優れているとは限らないってことか。
手帳が売れているという現象は十分納得できる。やっぱり、手帳は原始的に紙にペンで書くのがいちばんだ。紙の手帳はフリーズしたり、突然内容が消えたりすることもないからバックアップをとる必要もないし、起動に時間がかかることもない。そう考えると、電話番号や住所などを携帯電話だけで管理しているのはとても危険なことだと思う。何らかの理由でデータにアクセスできなくなったら、特定の人と一生連絡が取れないなどという事態も起こりうる。
ここ数年手帳の売り上げが右肩上がりということは、皆さん毎年手帳を買い換えてるんでしょうか。私はというと、ここ 15 年ほどずっと同じ手帳を使っている。昔流行ったシステム手帳だ。毎年スケジュール帳のレフィルを買って入れ替えている。この方式の便利なところは、住所録やその他の重要なメモはずっとそのまま使えるということである。システム手帳はかさばるので、持ち歩くのに不便だと言う人もいるが、私の場合手帳を外に持って行く必要がないので、多少大きくても重くてもかまわない。
それと、私がほかの人と違うであろう点は、手帳をスケジュール管理には一切利用してないということである。そもそも、手帳に書いておかないと忘れるほど、あれやこれやとやることが多くあるわけではない。毎日何人もの人と会うわけでもなく、会議に出席するわけでもない。基本的には 1 つの仕事を何日間かかえて仕上げ、約束の期日に納品するという毎日を送っている。絶対に覚えていなければならない項目は、現在取り組んでいる仕事の納期ぐらいである。たまに複数の仕事を平行して行うこともあるが、それでもせいぜい 2 つか 3 つだ。全部頭で覚えられる程度の情報量である。
それでは、何のために手帳を使っているのかというと、日々の記録を書き留めるためである。どの仕事を何時間したとか、どの仕事を納品したとか、どの会社に請求書を送ったとか、そういうことを記録している。先のことは覚えていられるが、1 カ月前に A 社に請求書を送ったかどうかはなかなか思い出せない。あと、ウォーキングをした場合は、何歩あるいたかとか、薬を飲んでいるときであれば、ちゃんと飲んだかどうかだとか・・・。要するに簡単な日々の記録である。
手帳はやっぱり未来のことを管理するために使うのが正しい使い方で、私のように過去を記録するために使っている人は少数派なんだろうか。
前述の神戸新聞の記事によると、手帳は女子高生や 20 代の女性会社員にもよく売れているとのことであるが、そんな若い女性は手帳にどんなことを書いてるんだろうか。頭で覚えきれないほどスケジュールがびっしり?また、糸井重里氏が考案した「ほぼ日(にち)手帳」が大人気らしい。どんなものなのかちょっと興味がある。
最後に手帳関連の記事をもう 1 つ。「男性ビジネスマンの9割以上が手帳に秘密を抱えている?!--高橋書店調査で@マイコミジャーナル」によると、「手帳に記入した内容を見られることにはほとんどの人が抵抗感があり、ほぼ全員が手帳に何らかの秘密を抱えている」とのことである。もちろん、私の手帳には見られて困るような秘密は一切ありません。
参考・参照サイト
翻訳に関するもっと専門的な情報については >> Translation Room 9246
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