ハイテクな暖房機器は困ったもの
ピーピーピー。ファンヒーターがけたたましくビープ音を発して停止する。この音が聞こえるとドキッとする。燃料切れであってくれと願う。しかし、ファンヒーターのディスプレイに表示されていた文字は恐怖の E4。
わが家のファンヒーターは本当に困ったものだ。まだ買ってから 3 年経っていないというのに、しょっちゅう E4 エラーを宣言して、うんともすんとも言わなくなる。取扱説明書に記載されたとおりに処置してみるが、ほとんど効果がない。結局 E4 エラーが発生したら、しばらく時間を置くしかないのだ。半日ほど休ませると、しばらくは働いてくれるが、1 ~ 2 時間もするとまたエラー宣言して休養モードに入る。
もう限界だ。今が 3 月なら、だましだまし使うという手もあるが、まだ 1 月。あと 3 箇月こんな状態はとても我慢できない。こういうことになると、やっぱり昔ながらの石油ストーブがいいなと思ってしまう。点火装置がおかしくなっても手動で点火できる。エラーなどという得体のしれない状態も引き起こさない。だから、使いたい時に使えないという困った事態にはならない。
たまらず、大手家電量販店にファンヒータを買いに走る。昔ながらの石油ストーブも売られていた。こういう原始的なストーブは、需要が少ないのでかえって高いという話を聞いたことがあるが、そんなことはなかった。ファンヒーターよりもかなり安い。
「この昔ながらの石油ストーブってどうなんですか?安全性に問題があるんですかねえ」
と店員に聞いてみる。
「昔のと違って、安全性もよくなってますよ。これじゃないとだめだって言う人もたくさんいます。ただ、これは温度調整は一切できませんから、寒ければ点ける、暑ければ消すという選択しかありませんけど」
面倒くさそうに店員が答える。
さんざん迷った挙句、結局店員に勧められた、数量限定のお値打ち価格のハイテクファンヒーターを購入。今使っているのと同じメーカーの製品というのが気になるが、電気製品には当たりはずれがあるので、今回はきっと当たりであることを信じることにしよう。
家電量販店にはウォーキングを兼ねて歩いて来た。およそ 50 分の距離だ。当然配達してもらうことを前提としていたのだが、配達料金が 1000 円かかるという(そんなの聞いてないよ)。店員は「軽いから持って帰れますよ」と言う。しかし、いくら軽いと言ってもファンヒーターを持って 50 分の道のりを歩くのはしんどい。仕方がないので、バスに乗って帰った。
これで恐怖の E4 から開放されると思うと嬉しい。暖房装置はハイテクなほうがいいとは限らないと思いながら、結局今回もハイテクなファンヒーターを買ってしまった。果たしてこの選択は正しかったのか。少なくとも 5 年もってくれたら、正解だったことにしよう。
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