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阪神尼崎 + 虎の聖地の開幕戦

 昨日は阪神タイガースの本拠地甲子園球場での開幕戦。対戦相手がジャイアンツだったので現地で観戦することにした。前回甲子園で野球を観戦したのは 2011 年の 4 月なので(詳細はエントリー「いざ甲子園へ(それいけ脇谷)」を参照)2 年ぶりの生観戦である。

 いつもは JR 甲子園口から甲子園まで歩くのだが、今回は JR 尼崎で降りて、阪神尼崎駅に寄ることにした。下町情緒たっぷりの尼崎中央商店街をぶらぶら歩いてみたくなったからである。開幕と同時に優勝マジックのカウントダウンを開始することで有名な阪神タイガース色満載の商店街である。

参虎殿の鳥居@尼崎商店街阪神の日本一を祈願する参虎殿の鳥居@尼崎中央商店街

 商店街には参虎殿(さんこでん)の鳥居や優勝マジックカウントダウン以外にも、楽しそうな店がいっぱいあり、また別の機会にゆっくり食べ歩きしてみたいと思った。5 時半ごろまで商店街を散策したあと、阪神電車で甲子園に向かう。

阪神タイガースの優勝マジック@尼崎商店街優勝マジックのカウントダウン。昨日 4 月 9 日の試合前の時点で、阪神タイガースの優勝マジックは 137 だったらしい。

 甲子園に着いたのは 5 時 50 分頃。さっそくビールを注文してプレイボールを待つ。予定どおり、宮国と能見の先発で試合が始まる。両投手のテンポのよいピッチングで引き締まった試合だった。前回の観戦時は脇谷が強烈にヤジられていたいたが(詳細はエントリー「いざ甲子園へ(それいけ脇谷)」を参照)、今回はだれも脇谷に罵声を浴びせることもなく、淡々と試合が進む。6 回の裏、西岡のヒットを足がかりに、マートンと福留のヒットで阪神が 2 点を先制。結局、ジャイアンツは能見から 1 点も取れずに 5 安打完封負け。7 連勝中の好調ジャイアンツに得点を許さなかったんだから、能見さんが相当よかったんだろう。

ラッキーセブンの風船飛ばし@甲子園阪神のラッキーセブンのジェット風船飛ばし

 ジャイアインツファンとしては悔しい結果に終わったが、野球ファンそして甲子園ファンとしては十分に楽しめる内容だった。残念だったのは、場内のアナウンスがウグイス嬢ではなく、お兄さんの声に変わっていたこと。最近は、男性がアナウンスするのが時代の流れだが、甲子園だけは絶対ウグイス嬢を残して欲しかった。

 阪神は、この 1 勝で優勝マジックが 136 になったはず。今シーズンのペナントレースがおもしろくなるように、そして関西の経済の活発化のためにも、是非とも阪神には(適度に)がんばってもらいたい。ただ、この時期の甲子園はあまりにも寒すぎた。ビールを美味しく飲めるよう、もう少しあたたかくなってから是非もう一度来たい。

WBC の本当の殊勲者

 WBC で侍ジャパンが熱い戦いを繰り広げている。昨日のオランダ戦こそ、打線爆発で大勝だったが、それ以外の試合は手に汗握る接戦だった。ブラジル戦も台湾戦も、本当によく勝てたなと思う。

 ブラジル戦で 8 回に同点打を放ったのは中日ドラゴンズの井端。そのあと、阿部の勝ち越し打(記録はセカンドゴロ?)が出て、ブラジル戦の殊勲者は阿部ということになったようだ。台湾戦では、9 回 2 アウトの土壇場に同点に追いつくという、さらにヒヤヒヤする試合展開だったが、このときも同点打を放ったのは井端だった。この試合でも、ヒーローは 10 回に勝ち越しの犠牲フライを放った中田ということになった。関西のラジオやテレビでは、「9 回 2 アウトから鳥谷の盗塁があったからこそだ。本当の殊勲者は井端でも中田でもなく鳥谷だ」と騒いでいる人たちが少なからずいる。確かに、鳥谷の盗塁の盗塁はすばらしかったとは思うが(きわどいタイミングで、一瞬アウトだと思った)、いちばんの殊勲者はやっぱり井端だろう。

 これまで、井端のことは敵としか思ったことがない。敵にすると本当に嫌なバッターなのだ。ボール球に手を出さず、際どいボールはファールで粘る。ここぞという場面では、執拗に粘って出塁するいやらしいバッターだ。しかし、敵としてそれだけ嫌なバッターだからこそ、見方になるとこれほど頼もしい存在はない。本当の殊勲者は、侍ジャパンの一員として井端を選んだ山本浩二監督なのかもしれない。

 昨夜のオランダ戦に勝ったことで、日本は米国で行われる決勝ラウンドへの進出が決定したわけだが、決勝ラウンドでも井端が窮地を救ってくれそうな気がしてならない。野手陣はどうにか調子が出てきたようだが、心配なのは投手陣。安心できるのは今のところマエケンだけだ。優勝するには、最低でもあとふたり安定した先発投手が欲しい。マー君も、いいと言われていた能見もピリッとしない。決勝ラウンドでは、「神の子不思議な子」と言われたマー君への神降臨を期待するとして、あとひとり救世主が現れてほしい。日本選手のがんばりを期待する。

 がんばれニッポン!がんばれ侍ジャパン!

1 試合で少なくとも 51 人が死ぬスポーツ

 セ・リーグのジャイアンツに続き、昨日北海道日本ハムファイターズがパ・リーグの優勝を決めた。ダルビッシュが抜けた今年の日本ハムはあまり強くないだろうという、専門家の大方の評価を覆して見事に優勝。これから、クライマックス・シリーズ、日本シリーズと、野球ファンにとってはワクワクする季節がやってくる。

 野球に関して、以前から不思議に思っていたことがある。それは、野球用語にはやたら、「死」とか「殺」とか「刺」という物騒な文字が使われているとういうことだ。まず、1 アウト、2 アウトのことを日本語では、「一死」「二死」と表現する。「死」や「殺」が使われている野球用語には、ざっと思いつくだけで以下のようなものがある。

  • 補殺
  • 刺殺
  • 挟殺
  • 封殺
  • 併殺
  • 左バッター殺し
  • ひとり一殺
  • 三重殺
  • 牽制死
  • 盗塁死
  • 憤死

 また、1 番バッターのことを切り込み隊長、4 番(ホームラン)バッターを大砲・主砲などと呼ぶこともあり、野球ほど戦争を連想させるスポーツはない。日本における野球というスポーツは、1 回の攻撃で 3 人の死者を出すまでに(3 人の死者を犠牲に)、何人を無事自軍の砦(本塁)に生還させるかを競うというコンセプトに基づいている。元々英語のアウトには、死ぬとか殺すという意味はないと思われるが、なぜ日本ではこんなに戦争ちっくなスポーツになってしまったんだろう。野球が日本に入ってきたのは確か明治時代。このころの日本の風潮がそのまま反映されたんだろうか。

 野球のもう 1 つの不思議は攻撃と守備。もちろん、バットを持って球を打ち返す側が攻撃側と呼ばれるのだが、私には攻撃と守備が逆に思えて仕方がない。守備側の主役はピッチャー。当たりどころが悪ければ文字通り死んでしまうかもしれない 150 キロの球をバッターに向かって投げる。戦争に例えるなら、これは弾丸もしくは砲弾である。このような恐ろしいものを投げつけてくるのだから、これは明らかに攻撃である。それに、ピッチャーが行動を起こさない限り、バッターは何もできないの。主導権を握っているのはピッチャーだ。どう考えても、主導権を握っている側が攻撃側だと思う。

 攻撃を受けたバッターは、恐ろしい弾丸をバットで打ち返さないといけない。打ち返した弾丸が敵に直接取られたり、1 つ目の砦(一塁)に到達するまでに弾丸を砦に返されたりすると、バッターは刺殺される。このような攻撃をかいくぐって、どうにか生き残る率が 3 割を超えていれば一流バッターと呼ばれるのだからおもしろい。

 食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋など、秋にはいろんな修飾語が付くが、私にとっては、野球観戦の秋到来だ。

杉内、完全試合ならず

 昨日の巨人対楽天の試合は PC で作業をしながらラジオで聴いていた。アナウンサーが、ジャイアンツの杉内のピッチングがすばらしいと絶叫している。6 回、7 回くらいまでなら、パーフェクトやノーヒットノーランというのはよくあることである。たいてい 8 回とか 9 回にヒットを打たれ、単なる完封で終わるのが野球の常だ。

 そうは言っても、ひょっとするとということもある。完全試合をリアルタイムで見られる機会なんてめったにあるのもではないので、8 回の表からテレビで観戦することにした。杉内が完全試合を達成したら、1994 年 5 月18 日に槙原寛己氏が達成して以来、18 年ぶりの快挙となる。

 杉内は 8 回も難なく簡単に楽天打線を三者凡退に抑える。まったく危なげがない。テレビ画面からも、本当に完全試合をやりそうな空気が漂っている。8 回裏のジャイアンツの攻撃が終わり、いよいよ 9 回の表。ひとり目の打者もふたり目の打者も簡単にアウトに討ち取る。いよいよ最後のバッターだ。自分のことでもないのに、心臓がドキドキと音を立てている。1 ボール 2 ストライクと追い込んだあと、ボールが 2 つ続いてフルカウントに。 手に汗握る瞬間だ。私は「すぎうち~」と声にならないような声を絞り出し、最後の一球を見守った。杉内が投じた最後の一球は内角低めに外れ、ボールの判定。

 9 回 2 アウトまでパーフェクトを続行しながら最後のバッターに痛恨の四球。その後杉内は次のバッターをしっかりアウトに討ち取って見事にノーヒットノーランを達成したものの(最後にストライクと判定されたボールは若干低かったような気がしないでもないが)、何とも惜しい。ファンとしては、ノーヒットノーランを達成したことを讃えるべきなんだろうが、完全試合を逃したことのほうが惜しくて悔しくて仕方がない。

 試合後のインタビューで杉内は、「甘いところに投げてヒットを打たれたくなかったので、四球になってもいいからきわどいところを狙いました」みたいなことを言っていた。う~む。甘いところに投げたからと言って、必ずしもヒットになるとは限らない。打ち損じることもあるだろうし、野手の正面に打球が飛ぶことだってある。だから、一か八かで「えいやー」とど真ん中に投げ込んでもらいたかったが、そういうことをしないのが本当のプロなのかもしれない。

 交流戦もこの週末から後半戦に入る。交流戦は試合日程がすかすかになり、毎日野球を見たい私としてはつまらないのだが、どのチームもがんばってすばらしい試合を見せてほしい。

なでしこジャパンと国民栄誉賞

 なでしこジャパンに国民栄誉賞を授与する方針を政府が固めたとのこと。政権浮揚を目的とした政治利用であると批判している人もいるが、枝野官房長官が「このことで政権浮揚できるならこんな楽なことはない」と言っているように、こんなことで政府に対する不信感が払拭されるはずはなく、この批判自体は的外れのような気がする。

 私は、なでしこジャパンに賞を授与することには決して反対ではない。今回の彼女たちの快挙は、震災で暗くなっている日本国民に大きな勇気や元気を与えたことは紛れもない事実である。だから、何らかの形で表彰するのは賛成だ。しかし、それは国民栄誉賞なんだろうか。過去には、どんな人が国民栄誉賞を受賞しているのか気になったので調べてみた。受賞者は以下のとおり(受賞順)。

  • 王貞治
  • 古賀正男
  • 長谷川一夫
  • 植村直己
  • 山下泰裕
  • 衣笠祥雄
  • 美空ひばり
  • 千代の富士
  • 藤山一郎
  • 長谷川町子
  • 服部良一
  • 渥美清
  • 吉田正
  • 黒澤明
  • 高橋尚子
  • 遠藤実
  • 森光子
  • 森繁久弥

 受賞者はほとんどスポーツ、芸能分野の人たち。それ以外の人は植村直己さんくらい。もちろん、過去に団体が受賞した例はない。過去の受賞例を鑑みると、なでしこジャパンに国民栄誉賞を与えるのはちょっと違うのではないかと思う。なでしこが国民栄誉賞であれば、WBC で二連覇を遂げた日本の野球チームも国民栄誉賞に値する。スポーツ以外の分野でも、チームとして何かを成し遂げた団体もきっとあるはずだ(たとえばはやぶさのプロジェクトチームとか)。

 これをきっかけに、国民栄誉賞とは別に、偉業や快挙を成し遂げた団体やチームを対象とした賞を設立したらどうだろうか。「日本を元気にしたで賞」ではちょっと軽過ぎるだろうから、「国民希望賞」とか「国民士気高揚賞」とか(名称は、もっといいものをセンスある人に考えてもらうとして)。どちらにしても、今回のなでしこの快挙をきっかけに、日本が立ち直りに向けて前進することを願う。

閑さや腹に染み入るカレーうどん

 朝から蝉の大合唱。今朝は、今まで聞こえなかったシャンシャンという鳴き声が目立つ。これはクマゼミの鳴き声だろうか。蝉の声というと、松尾芭蕉の「静けさや岩に染み入る蝉の声」という有名な俳句が思い浮かぶ。うるさい蝉の鳴き声と静かさを対比するとはすごいセンスだなあと感心したのは小学生のときだった。「この人ただ者じゃないぞ」と思った記憶がある。もちろん、私が認めるずっと前から、松尾芭蕉はただ者ではなかったのだが・・・。

 ここ数日仕事が途切れて、のんびり過ごしている。本を読んだり、録画しておいた映画を見たり、ときどき勉強したりしている。最近運動不足なので、ウォーキングに行くべきなんだろうが、さすがにこれだけ暑いとウォーキングをする気にならない。

 昼ごはんは、そうらーめんに続いて、新たな冷たい麺に挑戦してみた。先日スーパーで見つけた、ハウスの冷やしカレーうどんだ。冷たいまま食べることを前提とした、うどん用のカレーのレトルト食品である。「冷たいカレーってどうよ」と思ったが、実際に食べてみると、冷たくてもまったく違和感がない。ほどよい辛さでなかなかグッド。パッケージには、そうめんにもどうぞと書いてある。今度は、そうめんで試してみよう。

ハウス食品の冷やしカレーうどん

 プロ野球は、オールスターも終わり、今日から本格的に後半戦が始まる。前半戦はジャイアンツが弱くてあまりおもしろくなかったのだが、やっぱり野球がない日はつまらない。どうせなら、今年はヤクルトに優勝させてあげたい。パリーグは、おそらくソフトバンクか日本ハムの優勝だろうけど、楽天が何とか 3 位に入ってクライマックスシリーズで大暴れするところを見てみたい。 

いざ甲子園へ(それいけ脇谷)

甲子園球場での阪神・巨人戦 読売ジャイアンツの脇谷が打席に立つ。球場がざわめき阪神ファンから野次が飛ぶ。
「おいこら、うそつきー。帰れ~」
脇谷が守るセカンドにフライが飛ぶ。脇谷がキャッチする。阪神ファンから罵声が飛ぶ。
「おい、ほんまにちゃんと捕ったんか。ほんまは落としとるんとちゃうやろな。うそつくなよ」

 1 勝 1 敗で迎えた今年初めての阪神 x 巨人の三連戦の第 3 戦。私はこの様子を甲子園球場のレフトスタンドで見ていた。バックスクリーンのすぐ左側。甲子園では、360 度中 330 度が阪神ファンのスペースなので、当然阪神ファンに囲まれての観戦である。甲子園での野球を生観戦するのは 3 年ぶり。改装後は初めてだ。座席もきれいになり、前後のスペースが広くなったような気がする。

 脇谷がここまで阪神ファンの罵倒を浴びるのは、第 2 戦での彼のプレーに由来している。ふらふらと上がったセカンドフライをお手玉して落球したのだが、審判の死角をついてキャッチしたかのようにアピールし、アウトの判定を勝ち取ったのだ。この事件によって、脇谷は阪神ファンにとっての悪役ヒーロー、逆ヒーローになってしまったようである。中国や韓国にとっての日本みたいな存在だ。

 阪神ファンが脇谷を責めるのは本来おかど違いだと思うのだが、その気持ちはわからないでもない。脇谷は大事な場面でよくやらかす選手であり、あのセカンドフライもそれほど難しいフライではなかった。普通に捕っていればこんな問題にならなかったのだから、脇谷の自業自得である。もちろん、誤審をした審判も悪いのだが。

 昨日の関西は、脇谷の落球ごまかし事件で大騒ぎだった。「脇谷は、『本当は落としました』って正直に言わなあかん。卑怯もんや」などという人まで出てくる始末。誤審で得をしたチームが「今のは本当は○○でした」とあえて不利になるような申告をした例は過去に見たことがない。しかし、「いったん下された判定は変わらない」をうまく利用して、脇谷が、「落とした落とした」と前代未聞の抗議をしていたらおもしろかったのにとも思う。それでも「一度下した判定は覆らない」と、審判が判定を変えなかったら野球ファンはどんな反応をするんだろう。

 試合は緊迫した投手戦だった。ラミレスと長野のタイムリーで、3 対 1 でジャイアンツが見事に「ずる」なしで勝利。沢村のプロ初勝利をこの目で見ることができた。阪神ファンのおもしろい野次も聞けて、大満足のナイター観戦だった。

 あの瞬間、今シーズンのプロ野球「演技大賞」を獲得したかと思えた脇谷は、今年の「うそつき大賞」に決定してしまった。昔は、元広島の達川さんもよくやっていました。阪神ファンの皆様、今後もやらかし脇谷に大きな「声援」をお願いします。

間もなくプロ野球開幕

 間もなくプロ野球が開幕する。10 日ほど前は、あまり野球を見るというような気分ではなかったが、最近は「見たいような見たくないような微妙な気分」になってきた。ツイッターでも、「はやく野球が見たい」というつぶやきも増えてきた。セリーグは開幕時期についてすったもんだしたが、最終的に「世の中がそろそろ野球を見たいぞ」という雰囲気になるまで開幕時期を延期して大正解だった(というか、そうせざるをえなかったのだが)。

 今年のプロ野球は、4 月中は関東・東北でナイター自粛ということもあり、これまで経験したことがないようなシーズンになりそうだ。夏場は深刻な電力不足が懸念される中で、私が応援する読売ジャイアンツ(あまり大きな声では言いたく)がいちばん大きな影響を受けるだろう。こういうとき、昼間でも電気を必要とするドーム球場はミスター大ひんしゅくだ。これを機会に、屋根を取っ払って、野球の原点に帰ったらどうだろうか。野球はやっぱり青空の下、星空の下でやるものであり、室内スポーツではない。

 パリーグは特に応援しているチームがないので、是非楽天にがんばってほしい。阪神淡路大震災のときも、「がんばろう神戸」を合言葉にオリックスが優勝を果たした。こういうときは、不思議な力が働くものである。今年は楽天を優勝させてやりたい。

 関東では、計画停電を実施しないことになったらしいが、これから夏場に向けて大変だろうなあ。東京電力の消費電力量を表示してくれるこんなブログパーツを見つけた。

このブログパーツは、以下のサイトで入手できる。ブログをやっている人は表示してみたらどうでしょうか。

http://www.53pc.com/gadgets
  

相撲協会はこんなときだからこそ

 震災の影に隠れていた大相撲の八百長問題。今回もまた、人を切ることで決着をつけようとしている。相も変わらず、こんな方法しか思いつかないなんて、つくづくセンスがない人たちだと思う。空気を読めないにもほどがある。

 そもそも、人情相撲を含めた八百長の是非という根本的な問題を議論していないことが、今回の最大の問題なのではないかと思う。相撲協会は、そこの根本部分をすっ飛ばして、八百長を「非」として物事を進めている。そこを徹底的に議論しなければ、根本的な解決にはならない。きっと、相撲協会にとっては、八百長があったことが問題なのではなく、八百長がばれたことが問題なんだろう。

 私は相撲に八百長があってもかまわないと思っているが、もし八百長を非とするのであれば、それは理事会を含めた相撲界の連帯責任だ。決して、特定の人たちだけの責任ではない。すべての親方および力士が、八百長が行われていたことを認識していながら、見て見ぬふりをしてきたのだから。

 そんな相撲協会にとって、今こそ名誉挽回の絶好のチャンスなのではなかろうか。偽善でもパフォーマンスでもいいから、被災地の支援活動をしてアピールすればいいのにと思う。炊き出しでも何でもいい。国生さゆり氏やベッキー氏といった芸能人が被災地を訪問している映像を見たが、皆さん喜んでいた。有名人というのはそこに行くだけでも、元気を与えることができる特殊な存在である。

 今からでも遅くない。理事会のメンバーを含めた全員が頭を下げて、「今までは、八百長を見て見ぬふりをしてきました。許してください。相撲協会は生まれ変わります」と謝罪すればいいのにと思う。もちろん、偽善だと言って批判する人もいるだろうけど、「もう許してやるから、がんばれ」と言ってくれる人もいるはずだ。東北地方で新しいファンを獲得できるかもしれない。「東日本大震災が発生したときに、相撲協会はすばらしい支援活動をした。さすが国技と呼ばれるだけのことはある。日本人の誇りだ」と何十年先までも語り継がれるような組織になれるせっかくのチャンスなのに・・・・・・。

 結局、夏場所は興行としての通常開催を断念し、「5 月技量審査場所」して無料公開で行うことに決定したらしいが、どうせなら被災地の支援になるような方法で実施してほしい。特別に、仙台で開催するなんてことは無理なんだろうか。



 

大相撲の八百長問題について考える

 大相撲の八百長問題がまた世間を騒がせている。大相撲の八百長問題が発生すると、マスコミや相撲協会はいつも「八百長が本当に行われていたかどうか」を論点にする。しかし、これを論点にすること自体が間違っているのではないかと私は思う。

 問題にすべきポイントは、「八百長が本当に行われていたかどうか」ではなく、「大相撲における八百長の是非」ではないだろうか。私は過去に相撲を熱心に観戦していた時期があったが、千秋楽で 7 勝 7 敗の力士がたいてい勝つことはもちろん気づいていた。『ヤバい経済学』でも、7 勝 7 敗で千秋楽を迎えた力士の勝率が正常値よりも格段に高くなるというデータが示されている。これを八百長と呼ぶべきかどうかは別にして、あらかじめ勝敗が決まっている取り組みがあることは明白だ。

 日本相撲協会は、「八百長は過去にはなかった」だとか「八百長と無気力相撲は違う」など、意味不明な主張をするのではなく、「大相撲における八百長の是非」について、自らの考えと今後の態度をはっきりさせるべきだ。

「相撲で八百長が行われているのはみんな知ってるでしょ。でも、それは暗黙の了解ということで、騒ぎ立てないでくださいよ」。これが、相撲協会の本音なのではないかと私は推測する。そうであれば、八百長が明白になったこの状況において、相撲協会の取るべき方針は以下の 2 つのいずれかしかないと思う。

  1. これまで八百長は暗黙の了解で行われてきた。しかし、今後は純粋なスポーツとして八百長を一切禁止し、きびしく取り締まる。そして、八百長が行われないような制度を確立するなどして、抜本的な変革を行う。
  2. これまで八百長は暗黙の了解で行われてきた。しかし、大相撲は純粋なスポーツというよりも神事的な要素、興業的な要素が強いイベントである。「あらかじめ勝敗が決まっている取り組み」は今後も暗黙の了解として認める。そういったことも含めた新しい形態の大相撲を確立する。

 私の個人的な見解では、(2) のほうがよいと思う。日本国内各地で神事として「奉納相撲」が行われてきた経緯などを考えると、相撲を純粋なスポーツと捉えるのは難しいと思う。興行的要素 6 割、神事的要素 1 割、スポーツ的要素 3 割くらいの特殊なイベントと捉えるのが自然な姿だろう。

 大相撲が純粋なスポーツではないとすれば、「八百長」という表現は不適切になる。プロレスをだれも八百長だと騒ぎ立てないのと同様、相撲に八百長という概念はなくなる。相撲が神事であることを鑑み、神様の意思によって行われた取り組みというニュアンスを込めて、いっそのこと「お告げ相撲」とでも呼んだらどうだろう。あらかじめ勝敗が決まっていた取り組みを行った力士などは、「あれはお告げ相撲でした」と公然と言えるようにすればよい。

 真剣勝負とお告げ相撲が入り混じった新しい大相撲は、それなりにおもしろいかもしれない。少なくとも、私は「八百長は過去に一切なかった」などと言っている現在の大相撲よりも、格段に興味を持てる。

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