国母選手について考える
冬季オリンピックがいよいよ開幕した。夏季オリンピックと比べると、冬季オリンピックはいまひと自分の中では盛り上がらないのだが、終盤を迎えるころになるとけっこう夢中になっていることが多い。今回は、日本勢のメダルはあまり期待できないみたいだが、予想を裏切る好結果を出して、日本に元気を与えてほしい。
世間では、スノーボードの国母選手のことが話題になっている。私は、服装のことは些細な問題だと思っている。正直どうてもよい。もちろん、個人的にはああいうファッションは好きではないが、ファッションは個人の問題であり、あれを「だらしない」と思うか「かっこいい」と思うかは人それぞれである。
世の中には、物事の「好き嫌い」と「善悪」を一緒くたにしてしまう人がいるが、私は好き嫌いと善悪をきっちり区別できる人間でありたいと思っている。たとえば、「~は好きだけど間違っている」とか、「~は嫌いだけど正しい」とはっきり言える人でありたい。
国母選手は最初の会見で、「反省してま~す」のようなふざけたものの言い方をしていた。彼は、「自分は反省しなければならないようなことは何もしていない」ということを、ああいう形で主張したのだと思っているのだが、それならば、そのことをまじめに言えばよかったと思う。
この発言に対する苦情が多く寄せられたため、同選手は再度謝罪を行うことになったのだが、このときは普通にまじめに謝罪したようだ。「国母ファッションはスノボ「定番」 JOC目くじら立てすぎの声も」によると、国母選手の服装はスノボ選手としてばそれほど非常識なものではないらしいので、前回のふまじめな発言の仕方を謝罪した上で、「あのファッションは自分のスタイルであり、ポリシーでもある。反省しなければならないことは何もしていない。競技を見て評価してください」みたいな発言をしていれば、私は国母選手のことを見直し、応援したい気持ちになっていたと思う。
世間の批判を受けながらも、自分のスタイルを曲げることなく毅然としていられる人間は、好きか嫌いかは別にして、かっこいい。そして、涼しい顔をして金メダルなんか取ったらもっとかっこいいと思う。
誤解されないようにもう一度書いておく。私は、国母選手のようなファッションは嫌いだが、だからといって、オリンピック選手にふさわしくないということにはならないと思う。
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