歯医者までもがハロウィーン
100 円ショップがハロウィーングッズであふれかえっているのを見て、ハロウィーングッズってそんなに需要があるものなんだろうかと疑問に思ったのは 1 カ月半ほど前。それからしばらくして、町のあちこちでハロウィーンのかぼちゃを見かけるようになった。花屋、ケーキ屋、飲食店などの飾り付けがすっかりハロウィーン仕様になっている。そうか、あの大量のハロウィーングッズは、こういう店を対象としたものだったか。それなら、大量のハロウィーングッズが売られている理由がわからないでもない。
しかし、日本でハロウィーンというものが知られるようになったからといって、それはあくまでもケーキ屋や飲食店でのビジネス利用であって、クリスマスみたいに一般家庭で何かをするなんてことにはまだなっていない。ついこの間までそう思っていた。ところが、先日普通の家の庭でハロウィーンの衣装を着た子どもたちを見かけてびっくり。SNS でも、ハロウィーンの衣装を着た大人や子どもたちの写真がちょくちょくアップされている。今日は、ハロウィーン仕様にしている歯医者を発見して「う~ん」と唸ってしまった。歯医者までもがハロウィーン?
いつからこんなことになったんだ。私がハロウィーンというものの存在を知ったのは中学生のときだ。NHK のラジオ英会話でハロウィーンのことが取り上げられていて、「へえ~。欧米ではそういう習慣があるのか」と思ったことを覚えている。その時は、まさか日本にハロウィーンが定着する日(?)が来るとは思わなかった。
ハロウィーンの決まり文句と言えば Trick or treat。日本語に訳すと「お菓子をくれないといたずらするぞ」。日本人がいくら欧米の習慣を表面的に真似るのが好きでも、まさか子どもたちが 「Trick or treat」と言いながら、近所の家を回る日が来るとは思えない。だいたい、日本の子どもに「お菓子をくれないといたずらするぞ」などという恐喝みたいな台詞は似合わない。「お手伝いするからお菓子をちょうだい」くらいがかわいくていい。
日本人はどんなことでも日本流にアレンジするのが得意だから、今後ハロウィーンは子どもたちに地域社会の活動の手伝いをさせる日にしたらどうだろう。掃除でも何でもいい。子どもたちに何かをさせて、褒美にお菓子をあげればいい。「お手伝いするからお菓子をちょうだい」と言いながら子どもたちが集まってくる。お菓子業界も潤うし、地域社会の活性化につながるかもしれない。そんなことをぼんやり考えてみたハロウィーンの日でした。
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