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決闘値が高い人

 先日、 JR 東西線に乗っていた時の出来事。ある駅で下車した 50 代半ばくらいのおじさんが、車内に向かって何やら大声で怒鳴っている。
「文句があるんやったら、降りて来いや。外でやろうや」
誰に対して言っているのかはよく分からない。
「何笑とんや。こっちが下手にでてたらええ気になりやがって。兄ちゃん、出て来いや」
おじさんは、ますます声を荒げて興奮している。車内からは何の反応もない。おじさんは一瞬立ち去るそぶりを見せたが、ドアが閉まる直前に急いで車内に舞い戻って来た。

 おじさんが怒っている相手は 20 代と思われる若者。話を聞いていると、車内の奥のほうにいたおじさんが下車する際に、「道を開けてくれ」と若者に頼んだらしい。なかなか通してくれない若者におじさんが文句を言うと、「満員で身動きが取れないから仕方ないやろ」みたいなことを言ったとのこと。

 車内に舞い戻ってきたおじさんの怒声はとどまることなく続く。
「兄ちゃん、次の駅で降りろや。なあ。文句があるんやったら勝負したらええやないか」
若者は黙ったままだ。車内に緊張感が漂う。
「なんや、若いくせにこんな年寄りが怖いんか。なんやったら、兄ちゃんにだけ武器持たせたってもええで」
それでも若者は反応しない。やがて電車が次の駅に止まる。
「しょうもないやつやな。勝負するのが怖いんやったら、おとなしい謝っとけけや」
おじさんははき捨てるようにそう言って電車を降りていった。車内に安堵感が湧く。

 世の中にはこういうタイプの人が時々いる。何事も腕力で決着を付けようとする喧嘩好きの人だ。気に入らないことがあると、すぐに「文句があるんやったら外でやろうや」と言う。私はこういう人を「決闘値の高い人」と呼んでいる。こういう決闘値が高い人に対しは、国の措置として決闘値を下げる注射を打つべきだ。迷惑極まりない存在である。

 今回の出来事で、この決闘値が高いおじさんが悪い事は火を見るより明らかなのだが、若者も若者だと思う。自分が悪いと思っていないことに対しては謝りたくないという信念なのかもしれないが、「すいません」とひとこと言っておけば済むことである。別に信念を曲げるというほどの大げさなことではない。公共の場では、周囲の人のことを考えてそうすべきだと思う。それに、こんなご時勢だから、おじさんが逆上してナイフで刺したりということもありえなくもない。そんなことになったら損をするのは自分である。負けるが勝ち。触らぬ高決闘値にたたりなし。決闘値の高い人には注意しましょう。






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