『もしドラ』は忘れたころにやってくる
「予約されている本が入っています」
図書館で本を借りようとしたら、カウンターでこんなことを言われた。いったい何のことだろう。状況がよくわからないまま待っていると、図書館の係員は、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を私に示した。そうだ。思い出した。確か去年の秋ごろに予約した本だ。そのときは、待ち人数が数百人だった(具体的な数を聞いたと思うが忘れた)。自分に順番が回ってくるのずっと先のことだと思っていたので、意外と早く順番が回ってきたことに驚いた。
私はここ数カ月、常に図書館で本を借りている状態が続いている。貸し出し期間の 2 週間で読めるかどうかは別にして、おもしろそうだと思う本を片っ端から借りている。期限が来たら返却し、また別の本を借りてくる。それを繰り返していいる。読む時間がなかったら読まずに返して、また後日借りればよい。読み始めておもしろくないと思えば、途中で読むのをやめればよい。このような形で利用できる市立図書館はとても有益である。市民の税金で運営されているんだから、逆に利用しないと損だ。
通常なら借りてきたからと言って、必ずしも読まなければならないという考えはないのだが、この本に限っては、読まずに返してしまったら今度いつ自分に回ってくるかわからない。そういうわけで、通称『もしドラ』を最優先で読み始めた。
少女マンガのような表紙とは裏腹に、内容は結構高度である。主人公の川島みなみは、とある都立高校の野球部の女子マネージャー。野球部を強くしたいと考えてドラッカーの『マネジメント』を購入する。これは、起業家や経営者のために書かれた経営に関する専門的な本だったのだが、野球部のマネージャーの心得についた書かかれた本だと勘違いしたのだ。しかし、みなみはせっかく買った本だからといって、ドラッカーのマネジメントに基づいて野球部の改革に着手し甲子園出場を目指す。
経営やマネジメントに関する専門的な情報と高校野球を題材とした青春小説をミックスしたような内容で、とても興味深く楽しく読めた。『もしドラ』を通じて、経営というものの本質も垣間見ることができた。また今度、本家の『マネジメント』も読んでみたいと思わせる内容だった。満足度は 85%。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 岩崎 夏海 ダイヤモンド社 2009-12-04 by G-Tools |
マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版] P・F. ドラッカー 上田 惇生 ダイヤモンド社 2001-12-14 by G-Tools |
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