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メールって打つもの?

私が違和感を覚える表現の 1 つに、「メールを打つ」という表現がある。メールは書いたり、送ったりするもので、決して「打つ」ものではないと私は思うのだが、なぜ多くの人が「メールを打つ」という表現を使うのだろうか。

携帯のメールがまだ普及しておらず PC メールが主流だったころはこんな言い方はなかったような気がする。メールと言えば携帯のメールを指すようになってから、メールを「打つ」という言い方が一般的になったんだろうか。Google で「メール」と「打つ」をキーワードに検索してみたら 1,190,000 件もヒットした。ほとんどが携帯のメールについて書かれたもののようである(個人的には、PC のメールについても「打つ」という表現を耳にしたことはある)。

「打つ」と言えば電報を連想するが、ひょっとして「メールを打つ」は「電報を打つ」に由来しているのだろうか。電報は、最近では結婚式や葬式以外ではほとんど使われなくなったが、本来は大事な内容を短文で伝えるためのものである。携帯メールは、即時に相手に届くという点と、要点を短文で伝えることが多いという点で、PC メールと異なる。PC メールが手紙やファックスの代用だとすれば、携帯メールは電報の代用であると言ってもよいのかもしれない。携帯メールを現代の電報ととらえるなら、「打つ」という言い方はわからないでもない。

それとも、キーやキーボードを「叩く」とか「打つ」とか言うことがあるが、そこから来ているのだろうか。キー(で文字)を打ってメールを書くメールを打つ に変化したと考えられなくもない。

余談だが、「打つ」の間違った使い方として、「将棋を打つ」と言う人が時々いる。将棋は「打つ」ものではなく「指す」ものである。「打つ」のは囲碁である。






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