黒笑小説

『黒笑小説』(東野圭吾)

ちちんぷいぷいで、東野圭吾の『黒笑小説』という本を紹介していた。おもしろそうな内容だったので買って読んでみた。東野圭吾の作品を読むのはこれがはじめて。東野圭吾と言えば、ミステリー作家として有名だが、この『黒笑小説』は 13 編の黒い笑い(ブラックジョーク)を集めた短編集。

どの作品にもしっかりとしたオチがあって、おもしろかった。「黒い笑い」という表現がぴったりだ。特におもしろいと思ったのは、「モテモテスプレー」「ストーカー入門」「笑わない男」の 3 編。

モテモテスプレー」の主人公タカシは、性格も容姿もそれほど悪くないのに何故かもてない。ある日インターネットで、『人類愛正常化研究所』というサイトを発見する。あるものをコントロールできさえすれば、目的の相手の心を掴むことができるというのだ。何だか胡散臭いと思いながらも、タカシは人類愛正常化研究所を訪ねてみることにした。研究所で渡されたスプレーを脇の下にスプレーしてみると、今までまったく相手にしてくれなかったアユミが、急にタカシに好意を示し始めた。しかし・・・。

ストーカー入門」の主人公「僕」は、恋人の華子から突然の別れを告げられる。華子はそれまでそのような素振りは一切見せなかったし、別れを告げられる理由が僕には一切見当たらなかった。華子はかなり興奮していたので、僕はしばらくそっとしておくことにした。1 週間が過ぎたころ、華子から電話があった。「どうしてこの 1 週間、何もしないのだ」と言うのだ。「時期を見て話し合おうと思っていた」と言うと、華子は怒り出した。「やるべきことは話し合いなんかじゃない。本当に私のことが好きなら、ストーカーをやれ」と言うのだ。僕は、華子の指示どおりストーカーを始めたのだが・・・。

笑わない男」の主人公は、まったく売れない、がけっぷちにいるお笑い芸人の拓也と慎吾。興行主の手違いで最高ランクのホテルに泊まることになった。事務所からは、「明日うけなかったクビだ」と言われている。拓也たちの荷物を部屋まで運んでくれたボーイは、くすりとも笑わない鉄火面のようなボーイだった。拓也の提案で、その鉄火面のようなボーイをチェックアウトまでに何とか笑わせてみようということになった。あのボーイを笑わせることができたら、爆笑が取れる芸人になれるかもしれないからだ。拓也と慎吾は手を変え品を変えボーイを笑わせようとしたが、鉄火面のようなボーイはくすりともしない。そして、とうとうチェックアウトの時間を迎える・・・。

アニメのキャラクターに振り回される家族を描いた「臨界家族」も、これぞブラックユーモアという感じでおもしろかった。

4087462846黒笑小説 (集英社文庫 ひ 15-8)
東野 圭吾
集英社 2008-04

by G-Tools


『黒笑小説』のくにしろの評価: 星 4 個






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