月が地球から離れていく
昨晩は、あるテレビに番組に大興奮してしまった。E テレ(旧 NHK 教育テレビ)の「地球ドラマチック」という番組だ。昨夜の「地球ドラマチック」で取り上げていたテーマは「月と太陽の神秘1 地球が月と離れる日」(2010年に米ナショナル・ジオグラフィック・チャンネル・ネットワークが制作したもので、原題は「Earth without Moon(地球に月がなかったら)」)で、もし月がなかったら地球はどうなるかを検証するという内容だった。
子どものときから宇宙の話が大好きな私にとっては、きわめて興味深い内容でわくわくしながら見ていた。番組によると、月は毎年 3.5 cm ずつ地球から遠ざかっているらしい。月の引力が、潮の満ち干きという形で地球に影響を与えていることは知っていた。しかし、地球に対する月の最大の功績は、地球の自転軸の傾きを安定させていることらしい。地球の自転軸の傾きが 23.5 度に安定していることで、季節が発生し、気候が安定し、生命が存在できる環境が実現しているとのこと。
もし月がなかったら、地軸の傾きが不安定になり、地球は横倒しになってしまうらしい。これは、木星などの引力の影響を受け、地軸の傾きが 90 度になるということである。そうなると、現在の北半球は 1 年の半分はずっと太陽のほうを向いたままで灼熱地獄になり、反対に南半球は太陽の光がまったく届かない寒冷な世界になるらしい。北半球と南半球が、この灼熱と寒冷の気候を半年ごとに繰り返し、現在の生態系が完全に崩壊してしまうという。
自転軸が 90 度に傾いて、横倒しになってしまった地球
月が毎年地球から 3.5 cm ずつ離れているとは言っても、現在の地球と月の距離を考えると、月が遠ざかっていく速度は微々たるものであり、私たちが生きている間にどうこうなるというものではない。地球の自転軸の傾きに影響を与えてしまうほど月が地球から遠ざかってしまうのは数十億年先のことらしいので、われわれが心配することではない。こういう事実を知ってしまうと、月が急にいとおしく思えてくる。人類に限らず、地球上の生物が生きていられるのは月の、いやお月様のおかげなのだ。月に感謝。
月が地球に与えている影響でもう 1 つ驚いたことは、月が地球の自転速度をだんだん遅くしているという事実だ。地球が誕生したばかりのころ、地球は 6 時間で 1 回転していたらしい。つまり 1 日は 6 時間、1 年が 1,460 日だったということになる。昼間と夜が 3 時間で切り替わる世界はどんな世界なのか、そんな世界では人間はどんな生活をしているんだろう。いくら考えてもイメージできない。1 日が 6 時間の地球は、ずいぶんせわしない世界だなあと思ってしまうが、それはきっと 1 日 24 時間で生きている私たちの感覚であって、1 日が 6 時間の地球はそれなりに楽しいのかもしれない。
『地球ドラマチック: 月と太陽の神秘1 地球が月と離れる日』は、9 月26 日(月)午前 [(日)深夜] 0:00 - 0:44 に再放送されるもよう。見逃した方は是非どうぞ。
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