Diary 9246 :: That's 談 top > TV/映画 > ビューティコロシアム

ビューティコロシアム

 わが家のテレビ番組の選択権はほぼ 100% 私にあるのだが、何があっても妻が譲ってくれない番組がある。それは、昨夜フジテレビで放送していた「ビューティコロシアム」だ。妻は、この番組を楽しみにしており、残業などで遅くなるときなどは録画してまで見ている。簡単に言うと、美容業界のプロが、自分の容姿で悩んでいる女性を美しく変身させる番組である。ダイエットの支援をすることもあるが、たいていは整形手術を伴う。

 しかし、私はこの番組があまり好きではない。番組では、まず美しくなりたいと願っている女性が、これまで容姿のことでどれだけつらい思いをしてきたかをぶちまける。しかし、この番組に出演する女性の大半は、どこでもいるようなごく普通の女性に私には見える。こういう番組に応募するくらいだから、決して美人とは呼べないが、この世のものとは思えないほどひどい容姿ではない。「普通」という範疇に入れても差支えがないと思う。

 番組では、そんな彼女たちが悩みを打ち明ける際にできるだけ不細工に見えるように、最大限の演出を行っている。ノーメークで髪の毛はぼさぼさ、服装はこれでもかというほどの小汚い格好をさせている。太り気味の人であれば、より太く見えるような服装をさせている。きれいになったときとの差が際立つように、「最初はできるだけ汚く」という演出なんだろう。テレビ番組なんだからある程度のことは仕方ないにしても、なんだかなあと思ってしまう。

 女性が悩みや過去のつらい体験をひととおり打ち明けたら、美容のプロたちとのご対面となる。そして、美容のプロの手によって美しく変身した女性が登場する。スタジオのゲストタレントは異口同音に「きれいになった」と感嘆する。

 そりゃ、メーク、ヘアーメーク、スタイリスト、美容外科といった分野の超一流のプロが、自分の威信をかけて、よってたかってひとりの女性を改良するのだから、きれいにもなるだろう。ゲストタレントたちの感嘆を聞いているとそんなことを言いたくなってしまう。

 私が気に入らないのは、たいていの女性が安易に整形をしていることである。変身後の彼女たちの顔が、私にはどうしても画一的に見えてしまう。サイボーグのような、アンドロイドのような、なんだか不自然な美人に見えて仕方がない。もちろん、整形を一切するなというつもりはない。昨日の出演者のように、あごのかみ合わせや、顔のゆがみなど、骨格に先天的な問題がある場合は、手術すればいい。ちょっと顔をいじれば、前向きに明るく生きられるのあれば、多少いじってもかまわないと思う。

 変身してきれいになった女性が再度スタジオに登場するときは、「これで前向きに生きていけます」のようなことばとともに現れる。目がはれぼったい。鼻がぺちゃんこ。あごがしゃくれている。そういうことが彼女たちの本当の問題だったのだろうか。そして、整形によって本当に問題が解決し、今は前向きに明るく生きているんだろうか。美しく変身した彼女たちのその後が気になる。






trackbacks

当サイトでは、当該記事への言及リンクのないトラックバックは受け付けていません。 この記事にトラックバックをする場合は、トラックバック元の記事に当記事へのリンクを貼ってください。

trackbackURL:

comments

comment form

(Diary 9246 :: That's 談 にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)