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日曜の夜は『JIN -仁-』: 幕末と現代と未来

 『JIN -仁-』 で坂本龍馬を演じている内野聖陽氏を見て妻が言う。
「福山のまねしてる」
「でも順番的にはこっちのほうが先なんやから、似てるって言うんなら、福山が内野のまねをしたことになるんと違うか」と私。

 最近の日曜日の夜の楽しみと言えば、TBS のドラマ『JIN -仁-』である。前回放送の『JIN』がすこぶる評判がよかったらしいので、今回は見てみることにした。実を言うと、前回も『JIN』は第 1 話だけ見たのだが、20 分くらい見て「辛気臭そう」と判断して見るのをやめたのである。

 『JIN』は、現代から幕末の日本にタイムスリップした医者の話である。最初の数話を見た感想は、「ずいぶん漫画チックなドラマだなあ」だった(もともと原作が漫画なんだから、それは仕方ないのか)。世の中の人がそれほどまでに絶賛する理由がわからなかったのだが、最近『JIN』の面白さが少しずつわかってきたような気がする。今後、この話が現代とどのようにつながっていくのか、楽しみになってきた。

 幕末の時代と言えば、今から 150 年前だ。当時は、脚気で多くの人が死んでいたらしい。結核も不治の病だったし、平均寿命もずいぶん短かった。そういうことを考えると、医学の発達した現代に生まれてよかったと以前は思っていたのだが、最近は果たしてそうなんだろうかと思うようになった。今から 150 年後の未来では、日本人の平均寿命は 100 歳を超えているかもしれない。200 年後の人たちは「平成の時代の人たちは、がんで簡単に死んでたらしいよ。当時は、人生 80 年だったんだって。かわいそうだね」などと言っているかもしれない。

 22 世紀や 23 世紀の人間から見れば、21 世紀初頭に生きている私たちはかわいそうなんだろうか。いや、そんなことはないと思う。そうであれば、幕末の人たちも決してかわいそうではないということになる。幼児や子どもの死亡率が高かった代わりに、また脚気で多くの人が死んでいった代わりに、高血圧、糖尿病、がん、認知症といった病気に苦しむ人は逆に少なかったはずだ。人生は、短いより長いほうがいいのだろうが、だからといって長ければ長いほど幸せだとは限らない。

 当たり前のことではあるが、それが縄文時代であったとしても、平安時代であったとしても、どの時代に生まれた人も、その時点では私たちと同様に、現代を生きていたのである。私たちも時間とともに現代人ではなくなる。最近、時間というものはひょっとしてメビウスの輪みたいになっているのはないだろうかと思うことがある。つまり、時間がどんどん進んでいくと、最終的には太古の時代に行き着き、時間をどんどんさかのぼっていくと終いには未来になるんじゃないだろうかということである。考えても決してわかることではないが。

 福山さんの龍馬と内野さんの龍馬のどっちがいいかについては、意見が分かれるところだと思うが、私は内野さんの坂本龍馬はなかなか味があっていいと思う。そして、風貌も含めて、内野さんが演じる龍馬のほうが実際の龍馬に近かったような気がする。


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