熊が出たら死んだふり: 土曜の午後は吉本新喜劇
関西で土曜の午後と言えば吉本新喜劇。放送されるのを楽しみに待つような番組でもないし、録画してまで見る番組でもない。昼ご飯を食べたあとに、コーヒーでも飲みながら何となく見る番組だ。もうずいぶん前のことになるが、ゴールデンタイムに進出したことがあったが、結局は短期間で終了してしまった。もともと、ゴールデンタイムに見るような番組ではないと思うし、ゴールデンで受けるような配役や構成にしてしまうと、吉本新喜劇のよさはなくなってしまう。
私が子どものころの吉本新喜劇では、岡八朗、花紀京、原哲男、船場太郎といった面々が活躍していたように記憶している。「ごめんくさい」「~ じゃ、あーりませんか」「何処へ」などのギャグでおなじみのチャーリー浜氏もこのころから活躍していたように思う。吉本新喜劇の特徴は、それぞれの出演者に持ちギャグがあること。マイナーチェンジはあるものの、同じギャグを数年から数十年にわたってやるため、この人が出てきたらこのギャグをやるということがすべてわかっている。しかし、わかっていながらいつ見ても笑ってしまう。わかっていながらおもしろい吉本新喜劇のギャグって何なんだろう。
わかっていながらもおもしろいギャグの中でも、最高にばかばかしいと思うのが、「しまったしまった、島倉千代子」や「困った困った、こまどり姉妹」などの「去り際台詞」でおなじみの島木譲二氏の一連のギャグ。熊のような風貌の島木氏が登場すると、出演者全員が「あっ!熊や。死んだふりせえ」と言って死んだふりをする。その様子をみた島木譲二までもが、怖がって死んだふりをする。これぞ、ばかばかしさの極みである。
「熊が出たら死んだふり」っていうのは昔からよく聞くが、これって本当に有効な手段なんだろうか。前から気になっていたので調べてみた。「もし、熊に遭ったら、どうする!本当の熊対策」によると、熊に出会ったら、「死にものぐるいで抵抗反撃すること」が最善の策で、死んだふりをするなど論外だそうだ。熊と旅人@Wikipedia でも、「熊の前で死んだまねをするのは自殺行為」となっている。やっぱりそうか。でも、たとえ「死んだふり」が本当に有効な手段だったとしても、実際に熊に出くわしたときに、死んだふりをする勇気は私には絶対にないが。
閑話休題。同じギャグを長年にわたって繰り返すのが特徴の吉本新喜劇において、比較的短命のギャグもあった。「ローテーショントーク」だ。これ、おもしろくて好きだったんだけどなあ。
comments
ローテーショントークの動画、大笑いしながら拝見しました。新喜劇はさりげなさそうで、実はかなり作り込んでいて、面白いです。吉本新喜劇では、花紀京が柔かくて、面白くて昔好きでした。わかっていながら笑ってしまう、本当にそうですね。貴重な動画の紹介、ありがとうございました。
> ヒマラヤスギさん
花紀京・岡八郎時代に活躍した女優さんとして、山田スミ子さんを書くのを忘れていました。中西喜美恵さんもマドンナ役として活躍しましたね(この人はギャグらしいギャグはなかったような)。