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「よろしかったでしょうか」は消えつつある?

ファミレスやコンビニで使われる変な日本語(敬語)として、「よろしかったでしょうか」「~ほうが ~ になります」「○○ 円からお預かりします」などが問題視されるようになってずいぶんになる。

私も、ファミレスやコンビニで使われるこのような変なマニュアル敬語が嫌いで、「~ してよろしかったでしょうか」という言い方に気持ち悪さを感じていた。なぜ、このフレーズが気持ち悪いのかはよくわからなかったのだが、『そんな言い方ないだろう』(新潮新書、梶原しげる著)を読んで、ようやくその理由がわかった。この本では、「よろしいでしょうか」と「よろしかったでしょうか」の違いについて、次のように説明してる。

「よろしいでしょうか」という問いかけには、客に判断を求める謙虚さが残っています。「よろしかったでしょうか」ではすでに判断は店側が済ませてあり、客にその承認を求めるだけという傲慢さが感じられます。

なるほど、そのとおりだ。たとえば、ファストフード店でよく聞くフレーズに、「ご一緒にポテトはよろしかったでしょうか」がある。この言い方には、「普通のお客様はハンバーガーと一緒にポテトも召し上がります。お客様はハンバーガーだけのご注文ですが、本当にポテトは注文しなくていいんですよね」というニュアンスが感じられる。ひょっとすると、このように言われた客がついつい注文してしまうことを狙って、わざとこういう言い回しを考え出したのかもしれないと思ったりもするが。

ただ、同書によると、最近はこのようなマニュアル敬語に変化が見られるとのこと。ファミリーレストランのロイヤルホストでは、「こちらのほうがメニューになります」を「どうぞメニューでございます」、「1,000 円からお預かりします」を「1,000 円お預かりします」に、「チキンカレーでよろしかったでしょうか」を「チキンカレーでよろしゅうございますか」に改めさせているとのことだ。とってもいいことだと思う。

最近ロイヤルホストに行ったことがないので、自分の耳で確かめてはいないが、ロイヤルホストのこのような取り組みによって、ほぼ定着しかけていたファミレス、コンビニ、ファストフード店の変なマニュアル敬語が駆逐されることを願う。

4106101165そんな言い方ないだろう (新潮新書)
新潮社 2005-04-15

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