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『90 ミニッツ』とちっちゃいたい焼き

 ゴールデンウィークもあとわずか。昨晩は『90 ミニッツ』を観る。『90 ミニッツ』は三谷幸喜の演出による舞台演劇。先日加入した WOWOW で放送していたものを録画しておいたのだ。登場人物は西村雅彦演じる医者と近藤芳正演じる患者のお父さんのふたりだけだ。輸血を伴う手術を宗教上の理由で拒否する患者のお父さんと、手術を受けるように説得しようとする医者との 90 分間のやり取りを描いたもの。

 9 歳の男の子が交通事故に遭い、そのお父さんが病院に駆けつけたところから物語は始まる。手術の承諾書にサインをしてくれと迫る医者に対して、お父さんは宗教上の理由から輸血を伴う手術は承諾できないと主張する。90 分以内に手術をしないとしないと男の子は死んでしまう。輸血なしで手術をしてくれと言うお父さんを一生懸命に説得しようとする医者。「助かる命を見殺しにして、あなたそれでも父親か」と。

 タイムリミットがどんどん近づいてくる。絶対に首を縦に振らなかったお父さんも、子どもの命を助けたいとう気持ちが次第に強くなって、「承諾書のサインなしで手術をやってくれ」と突然言い出す。つまり、患者の承諾なしで医者が勝手にやったことにしてくれと言うのだ。そうすれば、周りの人に対する自分の言い訳が立つというのがお父さんの言い分だ。当然医者はそんなことはできないと言う。今度は、「自分の責任が追求されることを恐れて、助かる命をみすみす見殺しにして、あなたそれでも医者ですか」と父親が反撃をする。

 三谷幸喜と言えば喜劇の天才なのだが、この『90 ミニッツ』では笑いを一切封印したそうだ。最初は、子どもを見殺しにしようとしている父親が絶対的に悪いと思って観ていたのだが、「責任の追及を恐れて子どもを見殺しにしようとしているあなたたは、それでも医者か」という台詞にハッとした。そうだ。双方にそれぞれの言い分があり、どちらの言い分も正しい。つまり、父親の根底には「命よりも大切なもの、命を犠牲にしても守らなければならないものがある」という考え方があるのに対して、医者の根底にあるのは「命は何よりも大切である」という考え方である。どちらが正しく、どちらが間違っているとは言えないと思うようになった。ストーリーの結末は伏せておく。

 今日はこどもの日。午前中はいつもどおり仕事をして、昼食後いつもどおりに散歩に出かける。途中で寄った阪急百貨店で、「神戸ピッコロのちっちゃいたい焼き」というミニサイズのたい焼きを発見。思わず買ってしまった。小豆のほかに、チョレート、レアチーズ、キャラメルなど、味は全部で 7 種類。全部の種類を混ぜて 525 円の 15 個セットを買った。ちっちゃいたい焼きは、あっという間に胃袋に消えていった。

神戸ピッコロのちっちゃいたい焼き






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