冷やし中華と冷麺(ところ変われば呼び名も変わる 2)
初夏の風物詩の 1 つに「冷やし中華始めました」がある。全国的にどうなのかはよくわからないが、このあたりでは「冷麺始めました」が一般的であり、「冷やし中華始めました」を見かけることはほとんどない。時代とともに、「冷やし中華」という呼称が「冷麺」に変わったためだろうと思っていた。
そもそも、冷やし中華という呼称は中華そばに相対する呼称である。最近のおしゃれなラーメン屋や中華料理店では「中華そば」などとは呼ばない。だから、あれほど隆盛を極めた「冷やし中華始めました」が絶滅危惧種になってしまったのだろう。そう解釈して勝手に納得していた。
このあたりの事情について調べてみたくなり、「冷やし中華」をググってみたところ、冷やし中華について大きな思い違いをしていたことがわかった。Wikipedia の「冷やし中華」の項には、以下のように記載されている。
東日本では冷やし中華・冷し中華(ひやしちゅうか)、西日本では冷麺と呼ばれるものは、キュウリ等の野菜やハム、錦糸卵などの具材を細切りにして、茹で上げた後冷やした中華麺の上に並べ、酸味等のあるタレをかけた日本の夏における代表的な麺料理の一つである。日本各地に様々な呼称が存在する。東日本で冷麺といえば韓国の麺料理を指す。
そうか。関西ではもともと「冷やし中華」と呼ばないのか。知らなかった。ということは、東日本では「冷やし中華始めました」が普通に見られるということか。もう 1 つわかったことがある。それは、冷やし中華発祥の地が仙台であるということだ。仙台では一年中冷やし中華が食べられるらしい。ということは、仙台では「冷やし中華始めました」が存在しないことになる。ところ変われば、呼び名も風習も異なる好例である。
「冷やし中華始めました」という堂々とした宣言を見ると、私も「○○始めました」と宣言してみたくなる。しかし、「俳句始めました」とか「水彩画始めました」などと宣言してみても、だれも関心を示してくれそうにないし、「冷やし中華始めました」ほどのインパクトはない。原発事故による電力不足が問題となっている昨今では、「自家発電始めました」とか「太陽光発電始めました」と宣言するのが、これからの流行になるかも。
冷やし中華について調べていたら、仙台の冷やし中華が食べてみたくなった。楽天で検索してみたら、みちのく「麺の細道」という商品を発見。東北の商品を買うことは被災地支援にもなるので、「元祖仙台冷やし中華」を買ってみることにする。
選んでご購入できるラーメンセット!有名店のラーメンから仙台発祥の冷やし中華、塩竈の塩ラー... |
みちのく「麺の細道」意外にも、懐かしの冷し中華という商品もあり、こちらもおいしそうである。
comments
はじめまして。もうそんなシーズンになろうとしているのですね。
北海道だと「冷やし中華」とは言わずに「冷やしラーメン」と言ったりもします。
こっちで言う冷麺とは違う感覚なんですよね。ムハハ。
くろさん、コメントありがとうございます。「冷やしラーメン」ですか。スープたっぷりの冷たいラーメンをイメージしてしまいますが、いわゆる冷やし中華のことなんですよね。ということは、貼り紙はやっぱり「冷やしラーメン始めました」となるんでしょうか。いろんな呼び名があるものですね。