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原子力発電のこと

 問題になっている福島原発に外部電源が接続されたというニュースを聞いたときには、正直言って収束は時間の問題だと思っていた。しかし、いつまでたっても見通しが立たない状況になっている。原発というものは本当にやっかいなものである。

 今回の事故で、原子力発電の仕組みを初めて知ったのだが(本当は、ずっと前に聞いたことがあるのかもしれないが)、「えっ!こんな原始的な仕組みなん?」というのが正直な感想。もっと難解で複雑な原理に基づいているのだと思っていた。要するに、原理は火力発電と同じで、水を沸騰させて水蒸気を発生させ、その水蒸気でタービンを回して発電している。簡単に言うと蒸気機関に基づいた発電システムってことですよね。火力発電との違いは、水を沸騰させるのに火ではなく、原子核反応によるエネルギーを使っているという点だけである(この解釈で合ってますよね?)。

 蒸気機関なんて18 世紀に生まれた古い技術である。もっと安全に原子力を利用できる画期的で近代的な方法はないものなんだろうか。従来の仕組みとは根本的に異なる原子力発電を考え出すことはできないのか。頭のいい人がよってたかって考えても、できないんだからそんなことは不可能だ言われるかもしれないが、そのときは絶対不可能だと思われていたことを、これまで人類はあっと驚く方法で実現してきたのだ。頭の体操などよく経験する、「あっ!そんな方法があったか」とか「なぜこんな簡単なことに今まで気が付かなかったんだろう」というような、手品の種明かしのようなウルトラ C(今風に言うとスーパーE 難度?)があるような気がするのである。

「天災は忘れたころにやってくる」と言うが、ガリレオやアインシュタインのような数百年に一度の天才がやってきて、「こうやれば、理論的に絶対に安全な原子力発電が実現するじゃありませんか」とコペルニクス的な提案をしてくれ、誰が見ても反対しようのない絶対に安全な「アッと驚く為五郎」的な発想により、原子力発電の問題が一気に解決なんてことになればいいのに、とぼんやり考えている。

 絶対的に安全な原子力発電が難しいのであれば、今回のような事態が発生したときに、早急に、たとえば 数時間で安全な状態に戻せる方法はないのか。そんな「月面宙返り(ムーンサルト)」的な策と言えば、やっぱり鉄腕アトムしかないか。現実的には、感情を持って自分で判断できるアトムのようなかしこいロボットは難しいが、危険な場所で作業ができる遠隔操作が可能な高性能ロボットなら十分実現可能だと思う。これは、現代のお茶の水博士にがんばってもらいましょう。というか、今でも作業によっては、人間の代わりをしてくれるロボットってあるんじゃないの?






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comments

安全な原子力発電...
実はこれがあるんですよね。

今稼動している原発は、すべて核分裂でエネルギーを生み出しています。核分裂では、ウランやプルトニウムに中性子をぶつけ、原子核を壊してゆくことでエネルギーを取り出します。
核分裂は反応が連鎖的であり暴走の危険があるのと、また原子核が壊されてできる放射性物質の崩壊を止めることができず、崩壊が終わる時を待つしかないので、連鎖的な核分裂を止めることができても使用済み核燃料から放射線・崩壊熱が何十年・何百年、何万年もの間、発生し続けるという、原理的に危険性のある代物です。

それに対して、原子力の技術には、現在開発中の核融合というものもあります。これは、水素とかヘリウムといったウランと比べて遥かに軽い物質の原子核を融合させることで、エネルギーを取り出す方法です。
核融合は反応を持続することが難しく、いまだに発電は実現されていませんが、反応を持続させることが難しいくらいだから暴走の危険は無いですし、中性子による炉の放射化はあるので放射能の危険が全く無いわけではありませんが、使用済み核燃料から放射線・崩壊熱が発生し続ける、ということはありません。

ただ、まだ技術が完成しておらず、待たなければなりません。

罪深いのは原子力技術にかかわっている人達で、原子力技術の中で相対的に危険である核分裂の技術を、彼らは「安全だ」といっていたんですよね。そのことは知っていたはずなのに。
核融合と比べると核分裂は危険だ、ときちんと言っていれば、誰も今の原子力を夢のエネルギーとは思わなかったはず。

楽観的な見通しかもしれませんが、核融合は50年、100年後には実用化される可能性があるそうです。核融合が実用化されたとき、核分裂による原子力発電は確実に時代遅れになります。
そのとき、福島や大量に抱え込んだ使用済み核燃料はどうなるのかと考えると、絶望的な思いを持たざるを得ません。

  • 匿名
  • 2011年5月 1日 00:51

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