『思考の整理学』とツイッター
先日ラジオを聴いていたら、30 年近くも前に書かれた『思考の整理学』という本が最近爆発的に売れているとのこと。おもしろそうな本なので、ウォーキングに出かけた帰りに図書館に寄って探してみた。
いくら探しても見つからないので、カウンターで尋ねると、「現在貸し出し中で、19 人の予約が入っている」とのことだった。図書館の貸し出し期間は 2 週間。19 人の予約が入っているということは、自分の順番が回ってくるのは、全員が 2 週間借りるとしたら 266 日後になる。すぐに読めないとなると、ますます読みたくなる。ということでそのまま紀伊国屋に直行。『思考の整理学』は、ちくま文庫のコーナーに平積みされていたのですぐに見つかった。
カウンターで支払いをしようとすると「ポイントカードはお持ちですか」と聞かれる。今まで、紀伊国屋でこんなこと聞かれたことはない。100 円購入ごとに 1 ポイントが付くらしい。貯まったポイントは、1 ポイント 1 円として使用できる。家電量販店などでよくあるシステムだ。ついに、紀伊国屋もこういう囲い込みを始めたのか。たとえ 1 パーセントでも割り引いてもらえるのなら、カードを作ったほうが得だ。
これで、またポイントカードが 1 枚増えた。財布はポイントカードだらけで、どこのポイントカードを持っているのか自分でもよくわかっていない。この前も、ファミリーマートで買い物をしたときに、店員さんが私の財布に入っている TSUTAYA の T カードを指差して、そのカードでポイントが付きますよと教えてくれたぐらいだ。
閑話休題。『思考の整理学』は、30 年前に書かれたとは感じさせないような普遍的な内容を扱っており、それなりにおもしろかったが、今の時代にこれが爆発的に売れているというのは正直言って不思議だ。タイトルが示すとおり、思考を整理する方法について書かれた本である。本や論文を書いたり、専門的な研究に携わったりしている人たちには有益な本だと思うが、いったいどんな人たちが読んでいるんだろうか。本の帯には、「東大・京大で 1 番読まれた本」と書かれている。学生が主な読者なんだろうか。
この本では、思考を整理する方法の 1 つとして、何かを思いついたら手帳に書き留めておく方法をすすめている。アイデアを書き留めたら、しばらく寝かせておく。あとで読み返したときに、つまらないと思うこともあるし、さらにアイデアが膨らんで、おもしろいものに発展することもあるということだ。
これを読んでいてふと思ったのだが、ツイッターにこの手帳の役割を求めることはできないだろうか。ツイッターの活用方法は人それぞれだと思う。情報の発信・収集のツールだと考えている人もいるだろうし、なんとなく自分の興味のあることをつぶやいている人もいるだろう。ツイッター初心者の私は、ちょっと気になったことや、不思議に思ったことや、へえ~と思ったことをつぶやいているだけだ。ほかの人にとっては、何の価値もないこんなつぶやきが(時々返信してくれる人もいるが)、あとでアイデアが膨らんで「That's 談」の雑談に「昇格」したこともある(私の書くものは所詮はとりとめもない雑談だから、That's 談の記事になることを「昇格」と呼べるかどうかははなはだ疑問ではあるが・・・)。
『思考の整理学』の主旨からは外れるが、この本に書かれていたことで「へえ~」と思ったことがあった。それは、桃太郎の話についてである。著者の見解では、桃太郎の話には、近親結婚を戒める教訓が含まれているというのだ。つまり、河を流れてきた桃とは、縁もゆかりもない「流れものの女」の象徴であるとのこと。なるほどねえ。物事にはいろんな見方があるものだ。
思考の整理学 (ちくま文庫) 筑摩書房 1986-04-24 by G-Tools |
『思考の整理学』のくにしろの評価:
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