home (Translation Room 9246) > Diary 9246 :: That's 談

あんたなあ、ぼうっとしてたらあかんで

 最近、木村カエラのキシリッシュの CM が気持ち悪いという意見を Web 上でちらほらと目にする。彼女がしゃべる関西弁が気持ち悪いというのである(「木村カエラCMのエセ関西弁が気持ち悪い理由」を参照)。この CM だ。

 この CM、私は気持ち悪いどころか、どちらかと言うと好きだ。この CM で彼女が使う関西弁は確かにエセ関西弁だし、これが気持ち悪いという人たちの気持ちもわからないではない。しかし、その変な関西弁こそがこの CM の意図だと私は解釈している。この CM で木村カエラが演じているのは「キシリッシュ ガム星人カエラ」というキャラである。それならば、むしろ流暢な関西弁をしゃべるほうが不自然だ。関西弁が最も似合いそうにない木村カエラが、とってつけたような関西弁をしゃべっているところにおもしろさがあり、CM としてはよくできていると思う。

 木村カエラの関西弁が変だと言っても、それは非関西弁ネイティブの俳優・女優が映画やドラマなどでしゃべる変な関西弁と同程度であり、おそらく非関西弁ネイティブの人たちには、気付かない程度のレベルだと思う。この CM の関西弁を問題視するのであれば、関西を舞台にした映画やドラマを台無しにしている、大物俳優・女優がしゃべる変な関西弁のほうをもっと問題視すべきだと思う。せっかくの名場面で、変てこりんな抑揚で「あほなこと言わんといて」などと言われると、それこそずっこけそうになる。

 映画で使われる不自然な方言が気持ち悪いと感じるのはもちろん関西弁に限ったことではないだろう。たとえば、福岡を舞台にした映画で、変な博多弁が使われていたら、福岡の人たちははきっと気持ち悪いと思う。しかし、私にはその博多弁が変であることは分からないので、逆に映画を純粋に楽しむことができる。関西を舞台にした映画やドラマほかの地方よりも断然多い。ということは、ことばが気になって、映画を 100% 楽しめないという思いをいちばんしているのは関西人なのかもしれない。

『ALWAYS 三丁目の夕日』と古きよき時代

 今日は『ALWAYS 三丁目の夕日 '64』の 3D 版を観に行くと昨日から決めていた。昨日で長期に渡って取り組んできた仕事がようやく終わったからだ。いつもどおりに起きて、ツイッターとか Facebook とか普段読んでいるブログとかをチェックしてから、最寄の映画館の『ALWAYS 三丁目の夕日』の上映時間をチェックする。午後の遅い時間に観に行こうと思っていたのだが、3D は午前中だけしかやっていないことが判明。もう間に合わない。3D は、てっきり 1 日中やっているとだと思っていた。こんなことなら、昨日のうちにチェックしておけばよかった。

 明日の朝 3D を観るか、今日の午後に 2D を観るか迷った末、2D を観に行くことに決める。比較的時間に余裕があるときに観ておかないと、結局観られなくなってしまう可能性もあるからだ。また、今日はファーストデイサービスとやらで、1,000 円で観られることも大きな決定要因になった。

 3:20 開始の回に間に合うように家を出る。映画館で映画を見るのは、『有頂天ホテル』ぶりだ。何年ぶりなのかよくわからない。映画館に着くと、『ヒューゴの不思議な発明』の 3D にそそられる。この映画の 3D 効果はすごいらしいと昨日ラジオで聞いたばかりだったので、一瞬こちらに乗り換えようかと心が揺らいだが、初志貫徹で『ALWAYS』のチケットを購入する。

 しつこいほどの宣伝が終わって、ようやく『ALWAYS』の本編が始まる。前回および前々回の作品は、それぞれ昭和 33 年と昭和 34 年の日本を描いたものだったので、私はまだ生まれていなかった。しかし、今回は昭和 39 年 (1964 年)の話なので、私が実際に存在した時代の話だ。これが、どうしても今回の『ALWAYS』を観たかった理由だ。

 昭和 39 年と言えば、東京オリンピックで日本中が沸いた年。しかし、当時 4 歳だった私には、東京オリンピックの記憶はまったくない。この年ほかに流行ったものはイヤミの「シェー」。これは、かろうじて覚えている。不思議なことに、私にとっては、実際に存在していた今回の作品よりも、まだ生まれていなかった昭和 33 年と 34 年の『ALWAYS』のほうが懐かしさを感じた。しかし、「うるうる」度合いという観点で言うと、今回の作品が一番涙を誘う要素が強かったと思う。とにかく、この映画はわかりやすい。「はい。ここは笑う場面ですよ」とか「はい。ここは泣く場面ですから、涙腺緩めてくださいね」みたいな感じで、製作者の意図がわかりやすい。それで、製作者の意図どおりに、涙腺を緩めといてやるかと、素直に思える映画なのだ。ちょっと泣きたいなという気分で観るのもよしの映画だと思う。

 『ALWAYS 三丁目の夕日』が描く時代は、日本が戦後から脱却し、高度成長を遂げ始める、元気とエネルギーにあふれた時代。戦後の日本に限って言えば、やっぱりいちばんいい時代だったと思う。今日の午後は、たっぷり 2 時間、そういう古きよき時代に浸ることができた。

 私(の世代の人たち)が、昭和 30 年代後半から昭和 40 年代前半が古きよき時代だったと感じるように、今の時代に生きている子どもたちは、30 年後、40 年後に、平成 20 年代はいい時代だったと思うようになるんだろうか。

 今日はたっぷりと、『ALWAYS』の古きよき時代を堪能したので、また明日から、現実の世界で精一杯がんばることにする。 

『平清盛』と『運命の人』と『ストロベリーナイト』

 久しぶりにドラマについて書く。現在私が観ているドラマは『平清盛』と『運命の人』と『ストロベリーナイト』の 3 つ。

 『平清盛』は、漫画チックだとか、海賊の棟梁がジャック・スパロウっぽいとかで、ずいぶん評判が悪いみたいだが、私はけっこう楽しく観ている。歴史に明るい人たちの間では、最近の大河ドラマは歴史的事実を無視した無茶苦茶な作りだと酷評されているが、歴史に詳しくない私はあまり気にならない。むしろ、そういう歴史に詳しい人たちがブログで書いている「あそこが変だ、ここが変だ」というツッコミを読みながら、ドラマを楽しいんでいる。大河ドラマに平清盛が登場する年は、景気がよくなるというジンクスがあるようだが、果たしてジンクスどおりになるか(「緩やかな景気回復の動き、身近な社会現象が示唆」を参照)。

 『運命の人』は期待していた以上におもしろい。山崎豊子のドラマはあまりにもどろどろし過ぎているため、観ていると疲れてくるものが多いのが、『運命の人』は今のところ、それほど疲れない。ちょうど今、私が好きな裁判シーンが繰り広げられているからかもしれないが。たとえ、自分が不利になろうとも、三木昭子を守ろうとする弓成記者の男気には感心する。沖縄が日本に返還されたとき、私は小学 6 年生だった。当時、沖縄返還の裏ではこんなことがあったのかと、興味津々で観ている。また、大森南朋演じる山部記者のモデルが、読売グループの会長であるナベツネこと、渡辺恒夫氏だと知って、へえ~と思っている次第である。今後の展開が楽しみだ。

 『ストロベリーナイト』は何となく見始めたシリアスな刑事ドラマ。すごくおもしろいうというわけではないのだが、何となく止められない。どんなシリアスなドラマでも、少なくとも 3 回くらいはクスリっとする場面があるものだが、このドラマはほとんどそいう場面がない。こういう重いドラマはあまり好きではないのだが、観始めたドラマを途中でやめてしまうのは負けたような気がするので、たぶん最後まで観ると思う。主人公の姫川玲子(竹内結子)がかっこよすぎるという理由もあるのだが。

 『平清盛』と『運命の人』については、ほかにも書きたいことがあるので、また別の機会に書くことにする。

親しき仲にも礼儀あり

 先日、私のコラムを読んでくださっている方から、私の英文が間違っていることを指摘するメールをいただいた。翻訳者を目指してがんばっている学生さんらしい。とても礼儀正しいメールだったので、こちらも間違いを指摘してもらったことに対して、礼儀正しくお礼を言った。礼儀が正しいのは気持ちがいいものである。

 ツイッターを始めて 2 年ほどになる。何人かの方と実際にお会いしてから、ますますツイッターが楽しくなった。ツイッターに限ったことでははいが、メールでも Facebook でも、文字だけのコミュニケーションというのは、表情が見えないので難しいところがある。以前、メールで冗談で書いたつもりが、私が怒っていると相手に受け止められたことがある。面と向かって話しているときなら、そのような誤解を与えることはないのだが、文字だけのコミュニケーションの場合は細心の注意が必要だ。

 世の中には、文字だけのコミュニケーションでも上手に冗談を言える人がいる。相手を不快にさせることなく、むしろ親近感を与えるような楽しいツッコミが得意な人だ。同じようなことをいっているのに、ちょっと乱暴な口調なのに、なぜか許せてしまう人がいる。この人だから、仕方ないかって思ってしまう。こういうのもひとつの才能なんだろう。

 残念ながら、私は文字だけで冗談を言ったり、くだけた感じで話しかけたりするのがあまり得意ではない。いくら「(笑)」を付けようが、顔文字を足そうが、何となくきつく聞こえてしまうところがある(と思っている)。そのことを自覚しているので、人に文字で話しかけるときには、「親しき仲にも礼儀あり」を忘れずに、なるべく丁寧に書こうと心がけている。そのせいで、少しよそよそしかったり、堅苦しくなったりするかもしれないが、相手を嫌な気分にさせるよりはいい。

 ついでに、ツイッターに関して、最近ちょっと気になっていることについて少し書いておきたい。最近、プロフィールなし、ツイートゼロのアカウントにフォローされたのでブロックした、という内容のツイートをちらほら見かける。私はそういうアカウントからフォローされても、別に気にはならないし、実害がない限りブロックすることはない。というか、今までツイッターで誰かをブロックしたことは一度もない。

 エントリー「ツイッターはミニブログというよりもミニ放送局」でも書いたが、ツイッターは発信ツールであると同時に受信ツールでもある。本当は、発信兼受信ツールとして使うのがいちばんいいのだろうが、発信専用ツールとしても、受信専用ツールとしても使うことはできる(実際に、将棋の米長永世棋聖などは、誰もフォローしていないので発信専用のツールとして使っている)。だから、自分からは何も発信しない、受信専用のユーザーがいてもかまわないと思う。もちろん、そういう人にフォローされるのは嫌だからブロックするという考えを否定するつもりはない。受信専用ツールとして使う自由もあれば、そういう人をブロックする自由もあるのだから。

 「プロフィールなし、ツイートゼロの人は、個人情報を集めることを目的としているからブロックしたほうがよい」みたいなことを書いている人もいた。しかし、そもそもツイッターというものは、いくらブロックしたとしても、ツイート内容は誰もが見ることができる。だから、非公開アカウントにしない限り、ツイート内容を見られることを防ぐことはできない。そう考えると、変な言いがかりを付けらるとか、変な絡み方をされるとかの実害がない限り、ブロックすることにそれほど意味があるとは思えないのだが・・・・・・。

 ついでに書こうと思っていた内容がずいぶん長くなってしまったので、このあたりで止めておく。エントリー「ツイッターはミニブログというよりもミニ放送局」で、「ツイッターにはすぐ飽きるだろう」と書いているが、この予想は大間違いだった。先日始めた Facebook もようやく少しおもしろさがわかってきた。今後も「親しき仲にも礼儀あり」を肝に銘じて、楽しんでいきたいと思う。  

よく学びよく遊べ

 今年になってまだ 2 日間しか休んでいない。昨年の 12 月から大型の長期案件にずっと取り組んでいるからだ。休むことなく毎日働いていると、やりたいことがどんどん溜まってくる。そして、やりたいことが溜まってくると、それに対する思いがどんどん強くなってくる。

 今の仕事が終わったら、まずやりたいことは、『ALWAYS 三丁目の夕日 '64』を観にいくこと。前作と前々作は、まだ自分が生まれていない時代の話だったが、今回の作品は自分が実際に存在していた時代を描いているので、とても興味がある。また、一度 3D 映画を観てみたいという願望もあるので、是非 3D 版を観たい(先日 TV で放映していた『アバター』のような映画を 3D で観たら、高所恐怖症の私は気絶してしまうかもしれないので、『ALWAYS 三丁目の夕日』のような非アクションものが私の 3D デビューには適していると思う)。

 時間ができたらやりたいと思っていることはほかにもある。それは小旅行。旅行とは言っても、片道 1 時間以内で行けるような近場でいい。そういうところでちょっとした非日常を楽しんでみたい。候補地は、天王寺動物園、手塚治虫記念館(宝塚市)、姫路城、南禅寺(京都)など。特に、天王寺動物園は、旭山動物園のような形態展示の評判がよく、とても人気があるとのことなので、とても興味がある。ついでに、新世界界隈をぷらぷら歩くというというのも楽しそうだし。

 あと 10 日ほどがんばれば、いろんな楽しみが待っていると思いながら毎日仕事に励んでいるのだが、いやなことを 1 つ思い出す。確定申告だ。毎年のことだが、確定申告のことを考えると気が重くなる。本来なら、遊びに出かける前にこれを片付けてしまうべきなんだろうが、そんなことをしたら『シャイニング』のジャックみたいになってしまいそうで怖い。

 『シャイニング』とは、ジャック・ニコルソン主演のホラー映画。小説家志望のジャックが、冬期には閉鎖されるホテルの管理人として、家族で一冬山奥で暮らす物語だ。山奥のホテルで小説の執筆に励んでいたジャックは、毎日タイプライターに向かって同じ文章を延々とタイプしていた。その文章は、All work and no play makes Jack a dull boy(勉強ばかりで遊ばないジャックはバカになる)。これは、日本語の「よく学びよく遊べ」に相当することわざらしい。そのあと、おかしくなってしまったジャックは、奥さんと子どもを殺そうとする。恐ろしいや恐ろしいや。

 今年は、ここまでよく学んできたので、次はよく遊ぶ時間だ。あと少し。がんばれ自分。

シャイニング [Blu-ray]シャイニング [Blu-ray]

ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-04-21
売り上げランキング : 17997

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
<<前へ 2526272829|30|31323334 次へ>>