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多病息災

 私がゆっくり時間をかけて立ち上がる姿を見て妻が言う。
「よぼよぼのおじいさんみたいやな」
そう言われても仕方がないくらい、私の最近の起き上がる動作はのろい。理由は、起立性低血圧という症状のせいだ。文字通り、起き上がる時だけ低血圧になる症状である。急に起き上がるとふらふらして眩暈が起こるので、時間をかけてゆっくり立ち上がっている。いったん起き上がってしまえば、どんなにすばやく動いても問題はないのだが。

 この症状は数年前から定期的に現れるようになったのだが、気が付くと治っている。慢性的な症状ではない。医者にも特に治療の必要はないと言われており、日常生活で困ることは特にない。困ることがあるとすれば、地震が発生したり、ビーチフラッグをしたりするときくらいだろう。消防隊員になって夜中に急いで出動しなければならない時も困るだろうけど、今のところ消防隊員になるつもりはない。

 人間は長く生きているといろいろな不具合が生じてくる。この起立性低血圧以外にも、私はさまざまな不具合を抱えている。すべて特に治療の必要はないと言われているものばかりなので、厳密に言うと病気ではないのだが、こういう小さい症状をいっぱい抱えている者は、逆に大きな病気にはならないと、昔から何の根拠もなく信じている。そう考えると、起立性低血圧も決して悪くない。

 数年前に生じた頭がしびれる症状(詳細は、2005 年 10 月 16 日の日記を参照)がきっかけで始めたウォーキングも順調に続いている。今年の累積歩行距離は、今日現在で 410.44 km になった。江戸・日本橋を出発して、ちょうど亀山あたりに達したことになる。京まであと 85 km。目標どおり、5 月中には京都に到着できそうだ。


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東海道五十三次ウォーキング計画の記録

ゴールデンウィーク初日は『ローマの休日』

 世の中は今日からゴールデンウィーク。私はというと、いつもどおりに仕事。今の仕事を始めてから、ゴールデンウィークが丸々全部休みだったことはおそらく一度もないので、世の中が連休の時に働くことには慣れている。

 午後は、猪名川の河川敷までウォーキングに出かける。普段ならせいぜい犬の散歩をさせている人が数人いる程度なのに、今日はすごい人出で、まるで行楽地のような賑わいを見せていた。いつから始まったのかはよく知らないが、この時期になると猪名川の両岸を結ぶように幾匹もの鯉のぼりが空を泳ぐ。もう夏はすごそこまで来ている。

猪名川の河川敷

 夜は、ポークエッグを食べながら巨人・阪神戦を観戦。珍しくジャイアンツが快勝。野球が終わったあとチャンネルを回していたら、洋画専門チャンネル ザ・シネマで『ローマの休日』をやっていた。懐かしかったので少し観始めたら、結局最後まで観てしまった。この映画を初めて観たのは中学生の時だったと思う。この映画でアン王女を演じたオードリー・ヘップバーンの大ファンになり、写真集を買ったのを覚えている。

 デジタル・ハイビジョン時代に、白黒の映画なんて途中でたいてい観るのが嫌になるのだが、そんなこと最後まで気にならずに楽しめた。過去に何回か観た映画なので、もちろんあらすじは知っているし、だいたいの台詞も知っている。それでも、いろいろ新たな発見があり、いい映画だなあと再認識。まさしく温故知新。

 特に、最後の記者会見で、「今回の訪問で、いちばん印象に残った町はどこですか」みたいな質問をされたアン王女が、社交辞令を言いかて、思い直したように「ローマです。何と言ってもローマです」と毅然と言う場面は何度もリピートしたくなるほどすばらしい。

 最近の映画ももちろんいいけど、青春時代に観た古い映画をこうやって 1 つひとつ見直していくのもいいなあなどと思ったゴールデンウィークの初日だった。

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ただいま俳句の修行中(2012 年 4 月のマイブーム)

 ここ数日初夏の陽気が続いている。室内にいると気持ちいいが、長時間外を歩くと汗が湧き出る季節になった。今日は最近のマイブームについて書く。

 まずは食べ物のマイブームから。最近気に入っているのが博多一風堂のラーメン。「まるごとく~ぽん」に割引券が掲載されていたことがきっかけで初めて行ったのが 2 週間ほど前。そのときに食べた赤丸新味というラーメンがあまりにも美味く、すっかり魅了されてしまった。3 日ほど前にも、からか麺というのを食べてみたが、これもスープをすべて飲み干したくなるほどの美味さ。わが家からはちょっと遠いので、しょっちゅうは行けないが、このマイブームはしばらく続きそうだ。

 読むもののマイブームは『マンガ 日本の歴史』。先日図書館で見つけ、とりあえず「平氏政権と後白河院政」の巻を借りて読んでみたのだが、なかなかおもしろかった。最近、明治 20 年頃からの日本の近代史を描いた現代編を読み始めたところだ。現代編を読み終えたら、本編(全 48 巻)に戻って全巻読破しようと思っている。

 学校の日本史の授業について日ごろから思っていることがある。日本史の授業では、必ず縄文時代から順を追って進めていくため、近代史を教える時間が足らなくなり、どうしてもおろそかになる。まず、近代史から教えて、そのあと古代に戻ってもいいのではないだろうか。明治ではなく、幕末から始めてもいいと思う。縄文時代の日本人がどんな暮らしをしていたかよりも、明治、大正、昭和の時代の日本人が何を考え、どんな方向に進もうとしていたかを知ることのほうがはるかにおもしろく、重要だと思う。

明治国家の経営 (マンガ 日本の歴史)明治国家の経営 (マンガ 日本の歴史)
石ノ森 章太郎

マンガ日本の歴史 (52) (中公文庫) マンガ 日本の歴史〈55〉高度成長時代 (中公文庫) マンガ 日本の歴史〈43〉ざんぎり頭で文明開化 (中公文庫) マンガ 日本の歴史〈50〉大日本帝国の成立 (中公文庫) マンガ日本の歴史 (51) (中公文庫)

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 最後のマイブームは俳句。今年の初めに掲げた目標の 1 つが俳句の勉強をすることだった。3 月くらいからいろいろな本を読んで勉強をしている。俳句の決まりごとは、五七五の 17 音で作ることと季語を入れることの 2 つだけなのだが、それらしいものを作るのはなかなか難しい。気が向いたときに作ってはツイッターに投稿している。少しはそれらしいものができたので、調子に乗って俳句のサイトを作ってしまった。サイトのタイトルは「ハイ!句にしろ!」。飽きっぽい私がいつまで続くかはわからないが、気長に続けていきたい。

 上達するには、句会や吟行に参加するのがいいらしいが、今のところそんな時間は取れないので、それは老後の楽しみに取っておくことにし、それまでは自己流でぼちぼち楽しむことにする。どうせ俳句をやるのなら、かっこいい俳号を持ちたいと思って、くにしろ 万太郎とか、くにしろ 出歩などを考えてみたが、いまいちぱっとしない。漢字を使って、国城なんとかにしようかなどと思案中。今日、カラー写真がたっぷり載っている歳時記(季語の辞書のようなもの)を買った。

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海老にまつわるエトセトラ

讃岐うどん千吉のメニュー 今日の昼は千吉という讃岐うどん屋に行ってみた。千吉は 3 日ほど前に知ったばかりなのだが、私がこの店に興味を持ったのは、かき揚天うどんというメニューがあったからだ。普通のうどん屋だと、海老の天ぷらうどんしかないのに、かき揚天うどんがあることが気に入った。かき揚天うどんは単品で 380 円。120 円プラスすると定食になるとのことだったので、かき揚天うどん定食を注文した。あさりご飯、小鉢一品、ポテトサラダ、漬物がついて 500 円の定食はお得感たっぷりである。

 天ぷらうどん、天丼、天ぷらそば、天むす、天ぷら定食。だれが決めたのか知らないが、天ぷらと言えば海老の天ぷらを指す。私は天ぷらそのものは大好きなのだが、海老は大の苦手なのだ。常日頃、海老天以外の天ぷらうどんや天丼を食べたいと思っているのだが、一般的な店、特に高級な店では、海老天以外の「天」は残念ながらなかなかお目にかかれない。

 私は物心付いたときから海老が嫌いだった。人から理由を聞かれたら、「後ろ向きにしか進まないネガティブな姿勢が嫌い」と答えているのだが、本当のことを言うと、何とも言えない変な弾力の中に、おれは海老様だぞという主張が全面的に盛り込まれている感じがどうも苦手なわけで(意味不明な説明ですね)。

 そういうわけで、私は常に海老を避ける生活をしているわけだが、どうしても海老を避けられない事態に陥ったことがあった。その事件は、大学卒業後に初めて就職した会社で香港に出張したときに起こった。毎晩、わが社の香港代理店の人が美味しいものを食べさてくれ、初めて行った香港で食べる本場の広東料理の美味しさに感動していた。香港滞在の最終日は、「夜は美味しいものを食べさせてやるから楽しみにしててくれ」と代理店の S 氏が何度も言っていたので、私もその日の晩ごはんを楽しみにしていた。

 仕事を終えて代理店の接待ディナーが始まった。代理店の S 氏は、「今夜はスペシャルしゃぶしゃぶだ」と言って張り切っている。日本にもこんな豪華なしゃぶしゃぶはないはずだと興奮気味に言う。しばらくして、私たちにテーブルにスペシャルしゃぶしゃぶが運ばれてきた。それを見て私は卒倒しそうになった。生きた海老が串に 10 尾ほど刺さっているのである。1 人前 10 串ほどあるだろうか。この串を、肉のしゃぶしゃぶみたいに湯にしゃぶしゃぶして食べろと言うのだ。大ピンチだ。しかし、私に喜んでもらおうと思って朝から張り切っている S 氏に、「海老は苦手だ」などと言えるほど私は人でなしではない。とんねるずの食わず嫌い王決定戦を凌ぐ演技で、美味しそうに(自分ではそのつもり)スペシャル海老しゃぶしゃぶを完食した。おかげで、どうにか人でなしにならずに済んだが、今思い出しても苦しくなる体験だった。

 海老が嫌いだと蟹も嫌いなんだろうと思われがちであるが、蟹は好きだ。人は変だと言うが、私にとっては鶏肉と牛肉がまったく別物であるように、海老と蟹もまったくの別物である。さらに、海老せんべいが大好きだと言うと、ますます変だといわれる。子どものころは、坂角の海老煎餅ゆかりが大好きだったし、今でも揚げたての香ばしい香りがする海老せんべいは大好物である。海老せんべいの原料は、本当に海老なんだろうか。海老があんな美味いせんべいになるなんて、どうしても信じられない。

SNS 充な誕生日

 「リア充」ということばとその意味を知ったのは比較的最近である。Wikipedia によると、「リア充とは、リアル(現実)の生活が充実している人物を指すインターネットスラング」だそうだ。先日、「リア充」ということばを知らなかったあるテレビタレントが「リア充」の意味を知って、「リア充を目指してがんばる」みたいなことを言っていたが、その人はインターネットどころか、PC すらほとんど触らない人なのだ。インターネットをまったく利用しない人にとっては、バーチャルとリアルの区別なんてないわけだから、その人が目指すべきは単に「充実」だと思うのだが・・・・・・。

 今日は私の 52 回目の誕生日。別にそのことをアピールしたわけでもないのに、日ごろツイッターやフェイスブックでお付き合いしている多くの方から誕生日のお祝いメッセージをいただいた。年を取るのは決して嬉しいことではないが、たくさんの方からメッセージをもらえるのは嬉しいことだ。こういうのを SNS 充と呼ぶのかどうかは知らないが、SNS が生活の一部になりつつあることは否定できない。

 フリーランス稼業を始めて今年で 14 年になる。サラリーマン時代とは異なり、仕事帰りに居酒屋で同僚とちょっと一杯なんてことは皆無である。人と会って飲んだり、仲間とどこかに遊びに行ったり、充実した恋愛をしたりしていることがリア充の定義だとすると、日ごろ誰とも会話することなく、ずっと PC に向かって黙々と作業をしている私などのリア充度はせいぜい 5% くらいのものだ。  

 私にとってリアルが充実するとは、自分が楽しむことができ、なおかつクラインアントに喜んでもらえるような質の高い仕事を適度にこなし、適度に休み、日々好きなことを腹八分目くらいにやりながら過ごすことである。

 自分のことをアラフィフと称することができるのもあと 3 年。少しでも理想のリア充、いや充実に近づけるように 52 歳の 1 年間を適度にがんばることにする。誕生日のお祝いメッセージをくださった方々に、この場を借りて再度お礼申し上げます。 <(_ _)>

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