夏井先生の俳句講座に行ってきました
4月20日に神戸で開催された「夏井いつきの赤ペン俳句講座」に行って来た。「プレバト」でおなじみの夏井先生の俳句講座である。初心者向けの講座とのことだったが、生の夏井先生を拝見したかったので迷わずに申し込んだ。できるだけ前に座りたかったので、開始予定時刻の30分前に到着したのだが、会場はすでに8割がた埋まっており、うしろのほうの席しか取れなかった。
受付で、サイン会の抽選券と投句用紙を渡される。えっ、投句するなんて聞いてないよ。「才能なし」判定されたらどうしよう。会場がほぼ満席になったころに、時間どおりに夏井先生が登場。テレビでいつも拝見しているような軽快なトークが始まる。まず、富士山がきれいなのは、そのすそ野が大きいからだという話をされ、「100年後も俳句が今のままのきれいな姿で存在していられるように、俳句のすそ野を広げる活動をしいる。プレバトに出演ししているのもそのような活動の一環である」といった趣旨のことを話された。そのとおりだと思う。俳句にかぎらず、文化をあるべき姿で存続させるためにはすそ野を広げることが大切だし、そのための活動を活動を繰り広げることは素晴らしいことだと思う。
参加者の中で俳句をある程度やっている人と、まったくの初心者の割合を把握するために、それぞれ該当するほうに手を挙げさせられた。俳句を多少なりともやっている人が2割くらい、まったくやったことがない人が8割くらいという構成だった。夏井先生は、俳句をまったくやったことがない人たちを「チームすそ野」と呼び、「今日はチームすそ野に、俳句が作れる体になって帰ってもらう」とのことだった。
俳句に関する基本的な説明がひととおりあり、「チームすそ野のために俳句作成方法」が伝授された。それは、
まず、五 + 七の12音または七 + 五の12音で、目にしたことや感じたことをつぶやき、その12音のつぶやきに5音の季語をくっつけるという作句方法だった。夏井先生はこの12音のつぶやきを「俳句の種」と呼ばれていて、まずはこの「俳句の種」を考えることが重要だとのこと。具体的には
○○○○○ + ○○○○○○○のつぶやき + 5音の季語
または
5音の季語 + ○○○○○○○ + ○○○○○のつぶやき
のどちらかで作るようにという指示のもと、投句タイムが始まった。
俳句をやっている人は事前に俳句を考えてきている可能性があり、そのような人たちが事前に考えてきた俳句に「チームすそ野」が太刀打ちできるはずがないので、そのような事態を防止するためのテーマが発表された。発表されたテーマは以下の2つ。
1.「ほっ!」
2. 「えっ!?」
このどちらかのテーマで、5音の季語を使って投句せよとのこと(季語 + 「や」や「かな」などは不可)。各季節の「5音の季語」の一覧表が配られていたので、初心者でも、12音のつぶやきに合いそうな5音の季語を選ぶだけで、俳句が作れるようになっている。
作句時間は5分。私はちょっとインチキをして、日頃作り貯めているストックの中からテーマに合いそうなものを探してみた。一句、「えっ!?」に該当しそうなものがあったので、季語を5音のものに変えて、以下の句を投句した。
件名にキャンセルの文字春の雷
(けんめいにキャンセルのもじはるのらい)
鶏侍
投句用紙が回収され選句が始まった。その日の参加者は110人ほどだったが、それくらいの人数の選句ならどうってことはないとのことだった(会場で1,000人以上の句を選句することもあるらしい)。投句の短冊をお札を広げるように扇状に広げて句を眺めていると、素晴らしい句はすうぅっと立ち上がって来るそうだ。へえ~。果たして自分の句は立ち上がったのか、寝たままだったのか。
優秀句の発表が始まった。どきどきしていた。チームすそ野が8割を占める中で、自分の句が読まれなかったら、やっぱりちょっと悔しくて悲しい。3句目で自分の句が読まれ、少なくとも「才能なし」判定ではなかったのでほっとした。
優秀句の発表後、決勝7句が発表された。決勝に残るだけあってどの句もすばらしい。どの句が好きか、参加者の意見をひととおり聞いたあと、1位の句を決定するための投票が行われた。驚いたことに決勝に残った7句の中に、チームすそ野の句が2句入っていた。夏井先生も最初「これは30年やってる人の句ですね」とおっしゃっていた。チームすそ野の中にも、いきなりすばらしい句が作れる、才能豊かな人はいるものなんだな。1位に選ばれた句の作者は、夏井先生が選者を務める「俳句ポスト365」の常連の人とのこと。次にこのような機会があれば、自分も決勝に残れるような句が作れるようになるように、さら俳句道に精進したい。
講座の修了後、書籍販売とサイン会が行われる。最初、主催者は、サインは抽選でと考えていたようだが、夏井先生から「希望者には全員します」という提言があったらしく、サインをいただけることになった。サインをいただくときに「俳句ポスト365に毎回投句させていただいてます」と申し上げると、「俳号は?」と聞かれた。「にわとりさむらい」と書いて鶏侍(けいじ)だと伝えると、「これで、俳号と顔が一致しました」と言っていただいた。そして、写真まで撮っていただいた。興奮しっぱなしの超楽しい1日だった。
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