ドラマ『鈴木先生』は微妙におもしろい
月曜の 22:00 にテレビ東京系列で放送しているドラマ『鈴木先生』を見ていると
「これって、若い子が見るようなドラマと違うの?こんなん見てておもしろい?」
と妻が言う。
「うん。そんな感じもするんやけど、そうでもないんよ。もう見るのやめようかなと思んやけど、微妙におもしろいから、やめられへん」
と私。
『鈴木先生』は、微妙におもしろい困ったドラマなのである。よくある熱血先生を描いた学園ドラマとはちょっと違う。全体的には暗くて重い感じがするけど、辛気臭くはない。画面もずっとセピア色で映画風の演出である。ときどき、変な方向にストーリーが展開していって、もう見るのをやめようかなと思うのだが、ぎりぎりのところでとどまって、最後にはまた来週も見たいと思わせる。見るか見ないかを決める境界ラインが 60 点だとすると、このドラマは 65 点だ。合否ぎりぎりのラインよりもちょっとだけ上で、また見ようと思わせる微妙なおもしろさである。
昨日の放送内容は、生徒の恋愛問題に絡めて、鈴木先生が生徒に人生について教えるというものだった。鈴木先生は、こんな感じのことを言っていた。
恋愛において、人はどんな価値観を持っていてもかまわない。いろんな価値観が許されている。しかし、許されているということは、それが正しいということではない。自分の価値観だけが正しくて、それ以外の価値観は間違っていると考えてはいけない。それを知ることが大切なのだ。自分の価値観と異なる価値観を許さない人間になってはいけない。
鈴木先生はなかなか深いことを言う。政治家にしても、評論家にしても、一般の人にしても、だれもが自分の考えが正しく、ほかの人の考えが間違っていると主張している。これは、人間だけでなく、国対国についても当てはまる。許されるていることと、正しいことは別。そういう認識を皆が持てば、世界や世の中はもっとよくなるのかもしれない。
私は、以前からテレビ東京の経済番組のファンだったけど、ドラマもちょっと風変わりでおもしろいものを作っている。ますますテレ東のファンになりそうである。
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