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食べるラー油作りを候文にて

 中世から近代の日本では、候文という文語文体が盛んに使われていた。現在ではまったく使われることがない文体だが、何とも言えない趣があってよい。一度候文で記事を書いてみたいと思い、書き方を調べてみたのだが、候文の正しい書き方を解説したサイトはなかなかない。唯一発見したのが「候文について」というページである。このサイトに記載されている「候」の基本的な使い方と活用に従って、文末に「候」を付加しただけの付け焼刃的な候文を書いてみた。

食べるラー油を作り仕り候

 昨年あれほど流行った食べるラー油がスーパーから完全に姿を消し候。普段小生が買い物に行く西友でもまったく見かけることこれなく候。桃屋のものも、SB 食品のものもこれなく候。そんなおり、普段行かないスーパーに行き候はば、自分で食べるラー油を作れるキットを発見し候。値段も 190 円なにがしと安く(1 の位の正確な数字は記憶に御座なく候)、迷わず購入致し候。キットの内容は、フライドガーリック、ラー油、コチジャン、保存用の瓶で御座候。

手作り食べるラー油キットスーパーで見つけた食べるラー油の手作りキットで御座候

 早速食べるラー油作りに取りかかり候。まずは、瓶にフライドガーリックを入れ仕り候。次に、ラー油を瓶に注ぎ込み、コチジャンを入れてよく混ぜ候はば、食べる MY ラー油の完成に御座候。難しい点はまったくこれなく候。

手作り食べるラー油キット

 説明書によれば、1 ~ 2 日寝かせ候はばいっそうおいしくなる候よし、冷蔵庫で保存して熟成するのを待つことに致し候。果たして、おいしい食べるラー油ができる候や。まことに美味なれば、再度購入致したく存じ候。

 同じように食べるラー油を求めている方がこれあり候はば、是非ともご購入成し下さるべく候。

 候文の最大の特徴は、時制がないことである。過去形と現在形の区別がない。したがって、「ありました」と「あります」のどちらも、「これあり候」となる。このことが理解できていないと、「あれ、過去形はどうやって表現するんだ」と頭をひねることになる。現在形か過去形かは、文脈で判断するしかない。またいつか、もうちょっと勉強して、風情のある候文を書き仕りたく存じ候。






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comments

初めてコメントさせていただきます。言はないミスターと申します。

候文の事について調べていたところこのサイトににたどり着きました。
大変面白いですので、これからも大変でしょうが頑張ってください。
またお邪魔するかもしれませんので、その時はどうぞよろしくお願いします。

せっかくの候文の記事なので、ここからは私も候文で書きたいと思います。

さて、候文についてのサイトがひとつしかなかったとのことに候ところ(とのことですが)、
もう一つ発見候間(発見しましたので)、お知らせ致し候。
ttp://www.hh.em-net.ne.jp/~harry/komon11.html
(直接リンクをはると不具合が起こるかもしれないので、先頭のhを消去いたし候)

「候文について」とは多少語句、意味などの差異これあり候。
ご参考にしていただければ幸いに御座候。

  • 言はないミスター
  • 2016年1月 3日 10:43

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