「あおさ」に夢中
仕事部屋で料理用のタイマーがけたたましく鳴る。湯が沸いたようだ。急いでキッチンに行くと湯がぶくぶくと音を立てて沸騰していた。乾麺のうどんを鍋に放り込んで、再びタイマーを 4 分にセットする。
急な仕事が入ったり、納期が昼間の中途半端な時間だったりすると、昼ごはんのために外に出る時間がもったいないときがある。そんなときに、家で簡単に昼ごはんを準備できるように、私は乾麺のうどん、蕎麦、インスタントラーメンを常備している。夏だと、これにソーメンが加わる。
「うどん派か蕎麦派か」と聞かれたら、うどん派である。若いころは、蕎麦が嫌いだったので 10 対 0 の完全なうどん派だった。最近は蕎麦も食べるようになったので、7 対 3 の割合くらいのややうどん派である。
蕎麦は、低カロリーでメタボ対策によいと聞いてから食べるようになったのだが、何度か食べているうちに、蕎麦の美味しさがわかるようになってきた。近頃では、麺類の中で最も奥が深いのは蕎麦だと思うようになった。蕎麦はおとなの麺だ。とは言っても、死ぬ前に、蕎麦かうどんのどちらかを食べさえてやると言われれば、迷わずうどんを選ぶと思うが。
あと少しでうどんが茹で上がる。ここで、どんぶりにヒガシマルのうどんスープを入れて、300 cc のお湯で溶く。カツオ出汁のいい香りが食欲をそそった。4 分経ってうどんが茹で上がったので鍋の火を止めて、うどんをどんぶりに移す。
うどんや蕎麦の具としては、天ぷら、きざみ揚げ、わかめといったところをローテションしているのだが、最近これに強力な具が加わった。「あおさ」と呼ばれる海草だ。あおさは伊勢志摩の特産品らしいが、三重に住んでいたときにこんなの食べたことない。沖縄料理にアーサー汁というものがある。「アーサーとあおさはきっと同じものだ」。そう思って調べてみたら、やはり同じもののようである。正式にはヒトエグサという名称らしい。
伊勢志摩産のあおさ(乾燥ひとえぐさ)
カッチカチに乾燥したあおさ。このままでもいい香りがする
うどんを入れたどんぶりに、乾燥あおさと青ねぎと天かすを入れて、特性あおさハイカラうどんの完成。磯の香りが食欲をそそる。
ラジオでは、民主党の年金改革問題についてコンちゃんが吠えている。コンちゃんとは、MBS ラジオ「こんちわコンちゃんお昼ですょ!」のパーソナリティの近藤光史氏のことである。世の中の不条理に対してコンちゃんが吠えまくる、番組内の「吠えるコンちゃん」コーナーは私の楽しみの 1 つ。
今日もまた、あおさハイカラうどんは美味だった。しばらくは、「あおさ」に夢中がやまりそうにない。
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