スガキヤの思い出
久しぶりにスガキヤのラーメンが無性に食べたくなった。数週間前の『秘密のケンミン SHOW』でスガキヤのラーメンが紹介されているのを見たからだ。スガキヤとは名古屋を本拠地とするラーメンと甘党の店である。私の出身地三重県にも多くの店舗があり、高校生のとき学校帰りにしょっちゅう食べていた懐かしの味である。
関西でスガキヤの店舗を見たことはないのだが、本当に関西にスガキヤはないのか。早速ググってみたら、お隣の伊丹市にあるイズミヤ昆陽ノ里店にスガキヤがあることが判明。こんなに近いところにあるのに行かない手はない。ということで、早速伊丹に遠征。
普通のラーメンが 290 円、肉入りラーメンが 370 円と相変わらず安い(私の記憶が正しければ、当時は普通のラーメンが 140 円、肉入りが 210 円だった)。高校生のころはもったいなくて躊躇していた肉入りラーメンを注文。あまりに久しぶり過ぎて、昔と味が変わっていないのかどうかはよくわからなかったが、懐かしい味がしたことは確かだ。スガキヤのラーメンのスープは豚骨ベースなのだが、何となく魚介類の香りがする。豚骨以外に魚介類からも出汁を取っているんだろうか。
高校生のとき、スガキヤのラーメンのスープがあまりにも旨いので、「スガキヤは絶対に蛇で出汁を取っている。蛇でなければあんなにいい味が出るわけがない」という噂が飛び交った。今から考えてみれば、高校生に蛇の出汁の味なんかわかるわけがないのに。その噂を信じて、私たちはスガキヤのラーメンのことを「へびラーメン」と呼んでいた。
その日も学校帰りに「へびラーメン食べて帰ろうか」ということになり、友人とスガキヤに寄った。私はカウンターでスガキヤのおばさんに注文する際に、つい口がすべって「へびラーメン」と言ってしまった。おばさんは何もなかったように「はい、ラーメンね」と言っていたけど、私はたいそうバツが悪かった。あれから 30 数年。スガキヤのラーメンを食べて、そんなことを思い出した。