home (Translation Room 9246) > Diary 9246 :: That's 談

いざ甲子園へ(それいけ脇谷)

甲子園球場での阪神・巨人戦 読売ジャイアンツの脇谷が打席に立つ。球場がざわめき阪神ファンから野次が飛ぶ。
「おいこら、うそつきー。帰れ~」
脇谷が守るセカンドにフライが飛ぶ。脇谷がキャッチする。阪神ファンから罵声が飛ぶ。
「おい、ほんまにちゃんと捕ったんか。ほんまは落としとるんとちゃうやろな。うそつくなよ」

 1 勝 1 敗で迎えた今年初めての阪神 x 巨人の三連戦の第 3 戦。私はこの様子を甲子園球場のレフトスタンドで見ていた。バックスクリーンのすぐ左側。甲子園では、360 度中 330 度が阪神ファンのスペースなので、当然阪神ファンに囲まれての観戦である。甲子園での野球を生観戦するのは 3 年ぶり。改装後は初めてだ。座席もきれいになり、前後のスペースが広くなったような気がする。

 脇谷がここまで阪神ファンの罵倒を浴びるのは、第 2 戦での彼のプレーに由来している。ふらふらと上がったセカンドフライをお手玉して落球したのだが、審判の死角をついてキャッチしたかのようにアピールし、アウトの判定を勝ち取ったのだ。この事件によって、脇谷は阪神ファンにとっての悪役ヒーロー、逆ヒーローになってしまったようである。中国や韓国にとっての日本みたいな存在だ。

 阪神ファンが脇谷を責めるのは本来おかど違いだと思うのだが、その気持ちはわからないでもない。脇谷は大事な場面でよくやらかす選手であり、あのセカンドフライもそれほど難しいフライではなかった。普通に捕っていればこんな問題にならなかったのだから、脇谷の自業自得である。もちろん、誤審をした審判も悪いのだが。

 昨日の関西は、脇谷の落球ごまかし事件で大騒ぎだった。「脇谷は、『本当は落としました』って正直に言わなあかん。卑怯もんや」などという人まで出てくる始末。誤審で得をしたチームが「今のは本当は○○でした」とあえて不利になるような申告をした例は過去に見たことがない。しかし、「いったん下された判定は変わらない」をうまく利用して、脇谷が、「落とした落とした」と前代未聞の抗議をしていたらおもしろかったのにとも思う。それでも「一度下した判定は覆らない」と、審判が判定を変えなかったら野球ファンはどんな反応をするんだろう。

 試合は緊迫した投手戦だった。ラミレスと長野のタイムリーで、3 対 1 でジャイアンツが見事に「ずる」なしで勝利。沢村のプロ初勝利をこの目で見ることができた。阪神ファンのおもしろい野次も聞けて、大満足のナイター観戦だった。

 あの瞬間、今シーズンのプロ野球「演技大賞」を獲得したかと思えた脇谷は、今年の「うそつき大賞」に決定してしまった。昔は、元広島の達川さんもよくやっていました。阪神ファンの皆様、今後もやらかし脇谷に大きな「声援」をお願いします。

あなたみたいなひよっこで大丈夫なの?

 マツケンこと松山ケンイチ君と小雪さんの結婚が世間の話題になっている。私は、芸能人の結婚や離婚にはまったく興味がないので、特に感想はない。「ああ、そうですか」といった程度。私は、芸能人の○○ と○○ が夫婦であることを知って驚くことがしょっちゅうあるのだが、「なんでそんなことも知らんの?」と言って妻に叱られる。別に叱られるようなことではないと思うのだが・・・・・・。

 マツケンも小雪さんによく叱られているそうだが、どんなことで叱られてるんだろうか。そんなことを公の場で発表してしまったら、また「そういうことを言ったらダメ」と小雪さんに叱られるんじゃないかと、他人事ながら心配になったりする。

 今日書きたかったのは、マツケンが小雪さんに言われたという「あなたみたいなひよっこで大丈夫なの?」という台詞について。これって、結婚を申し込まれた人が申し込んだ人に対して言うことばだろうか。第三者が小雪さんに対して、「小雪さん、マツケンみたいなひよっこで大丈夫なの?」と言うのであればわからなくない。小雪さんの自分に対する問いかけであってもかまわない。

 だいたい、ひょっこであるマツケンで(マツケンを結婚相手に選んで)大丈夫なのかどうかは、小雪さんの問題であって、マツケンの問題ではない。だから、大丈夫かどうかをマツケンに聞くのはおかしい。実際には、「あなたみたいなひよっこで大丈夫なの」みたいな内容のことを言われたということであり、小雪さんが実際にこのとおり言ったわけではないとは思う。ちょっと細かいことを言ってみたくなったということで、私のいちゃもん戯言をお許しください。

 ところで、マツケンのデフォルトが松平健から松山ケンイチに変わったのはいつのこと?

「ちょける」と「おちょける」の謎

 大阪生まれ、尼崎育ちの生粋の関西人である女優の牧野エミさんが、ラジオで「おちょける」という表現を使っていた。日常的に使ったり聞いたりすることばでないが、私にとって「おちょける」はなじみがないことばでなかったし、意味も知っていた(「ふざける」という意味)。関西人ならだれもが知っている、標準関西語だと思っていた。

 ためしに、普段使っている新明解国語辞典と広辞苑を引いてみてが、どちらもに「おちょける」は記載されていなかった。関西弁だから載っていないのかと思って、Weblio で調べてみたら名古屋弁で「ふざける」の意味だと記載されている。関西弁だと思っていたのに、名古屋弁だとはびっくり。このことをツイッターでつぶやいたら、意外にも多くの反応があった。

 私と同じ三重出身の関西在住の方からは、「三重では『ちょける』は使っていたけど、関西では聞いたことがない」という情報をいただいた。また、関西のほとんどの方は、「ちょける」も「おちょける」も聞いたことがないという。また、「ちょけた兄ちゃん」など、「ちょけた」という形容詞はあるけど、動詞として「ちょける」はないという意見もあった。和歌山(白浜)の方は、「おちょける」をよく使うという。

 再度、Weblio で「ちょける」を引いてみると、三重県四日市市と大阪の方言だと記載されている。意味は「おちょける」と同じで「ふざける」だ。

 私はこれまで、三重で 19 年、愛知で 4 年、大阪で 10 年、兵庫で 18 年暮らして来た。 だから、「おちょける」や「ちょける」を知っているといっても、どこにいるときにそれを聞いて使っていたのかは、不明確な部分がある。ひょっとして、「ちょける」や「おちょける」は三重が本家本元なのかもしれない。名古屋が本家ということもありえる。でも、Sooda というサイトの「ちょける」に関する質問のページでは、「ちょける」も「おちょける」も関西弁だと解説している。

 「ちょける」と「おちょける」はいったいどこのことばなのか。謎は深まるばかりである。ちなみに「ちょける」の標準語は「ちょうける」らしいが、「ちょうける」こそ聞いたことがない。 

負けるが勝ち

 ブログやツイッターをやっている方は、意味不明な苦情を言われたり、非常識なことばを浴びせかけられたりした経験を多少なりともしていると思う。私のサイトはアクセス数がそれほど多くないので、そういう経験はあまりないのだが、先日ちょっと嫌な思いをした。ある人から苦情のメールをいただいたのである。

 苦情の内容を詳しく書くことはできないが、簡単に言うと、その人のサイトに勝手にリンクを貼るなという内容だった。これまで、リンクを貼って礼を言われたことはあるが、迷惑だと言われたのは初めてである。もちろん、問題となったリンク先のサイトの内容をけなしたり、内容を変えて引用したりしたものではない。ただ参照サイトとして紹介しただけである。

 もともと、Web 上で公表されている情報は、誰もが自由にアクセスできるようになっている。「当サイトはリンクフリーです。自由にリンクしてくださってけっこうです。連絡は要りません」などと記載しているページがあるが、こういう記載がなくても、リンクを貼るのに事前に許可を得る必要がないことはネット社会の常識である。

 若いころの私であれば、自分の正当性と相手の非を冷静かつ理論的に説明し、相手に反論の余地がないまでに、徹底的に反撃していたと思う。しかし、何度かそういう対処をして学んだことは、相手がぎゃふんと言うまで叩きのめしても、何もいいことはないということである。たとえ勝ったとしても、それほどいい気分もしないし、何も得るものもない。「負けるが勝ち」が本当に賢い人の対応だと思うようになった。

 そういうわけで、該当する箇所とリンクを削除し、その旨を相手に丁寧に伝えた。そのあと、何度も「負けるが勝ち」と自分に言い聞かせた。しかし、あまりにも非常識な言い方をされたことを思い出して、その晩は腹が立って寝つきが悪かった。

 アクセスの多い人気ブログを書かれている方や有名人は、きっとこういうことは日常茶飯事であり、「また変な人が何か言ってるよ」くらいの気持ちで笑って受け流してるんだと思う。そうじゃなきゃ、やってられないと思う。「負けるが勝ち」と割り切ろうとしてもなかなか気分がすっきりしない私は、つくづく人間が小さいなあと思ってしまう。時間が経って、ようやく少し気分も晴れてきたが、「負けるが勝ち」を完全に自分のものにするには、まだまだ修行を積む必要がありそうだ。

 小さいことは気にすんな。それワカチコワカチコ。

味噌煮込みのこととか、ういろうのこととか

 昨晩は震災後初めての「秘密のケンミンSHOW」 が放送された。やはり、被災地の県の話題を避けたような内容になっていた。もともと、ちょっと奇妙な習慣や食べ物をおもしろおかしく紹介するというコンセプトの番組なので、被災地の県を取り上げるのはやっぱり難しいんだろう。今後どうするんだろう。番組制作者でもないのに心配になる。

 昨日の「秘密のケンミンSHOW」の目玉はうどんサミット。日本各地のうどんを、それぞれの地元のタレントが自慢するという企画だ。うどん好きの私としては、興味津々の内容だった。讃岐うどんや大阪のきつねうどんなどは食べなれた味。稲庭うどんとか水沢うどんは、ちょっと上品な高級うどんという感じで、それぞれに、それぞれのよさがある。私が、最も興味を持ったのが博多うどん。金八先生(武田 鉄矢氏)のプレゼンが上手なのか、ごぼ天入りの博多うどんを猛烈に食してみたくなった。

 最後に紹介されたのが名古屋の味噌煮込み。一般的には「味噌煮込みうどん」と呼ばれているようだが、味噌煮込みはうどんじゃないと教育された私には、これをうどんの範疇に入れることに抵抗を感じる。実を言うと、私は学生時代に名古屋のまことやという味噌煮込み専門店でアルバイトしていたことがある。名古屋で味噌煮込み屋といえば、山本屋総本家山本屋本店が有名であるが、まことやも知る人ぞ知る名店である。

 当時まことやでは、うどんと煮込みを明確に区別していた。味噌煮込み以外にも、ざるうどんや天ぷらうどんといった、いわゆる普通のうどんも扱っていたが、まことやでは生のうどんを使ったものが「煮込み」であり、長時間じっくりゆでた麺を使ったものが「うどん」だった。早い時間にうどんが売り切れてしまうこともよくあり、客には「今日はうどんは売り切れました」と言っていた。よくわかっていない客に、「うどん売り切れたって、お宅うどん屋でしょ」と言われることも多々あったが、「うちは、うどん屋じゃなくて煮込み屋です」と答えるのがまことや流だった。

 私流に解釈すれば、煮込みとうどんの関係は、ハマチとブリの関係のようなものであり、味噌煮込みは「生うどん味噌煮込み」という、うどんとは別範疇の料理なんだと思う。しかし、両山本屋でも、これを「味噌煮込みうどん」と称しているので、名古屋人の間でも、味噌煮込みはうどんであるというのが一般的な見解なのかもしれない。名古屋人ではない私には、本当のところはどちらが正しいのかよくわからないが・・・・・・。

 名古屋ついでに、ういろうの話を少しする。先日、ういろうが無性に食べたくなり、ツイッターで「しろ、くろ、抹茶、あがり、コーヒー、ゆず、さくら」とつぶやいたところ、私と同じ三重県出身の方から、「あがり」じゃなくて「あずき」であるというコメントをいただいた。そういわれれば、「あずき」というバージョンも確かにあった。私が子どものころ、三重県では「しろ、くろ、抹茶、あがり(あずき)、コーヒー、ゆず、さくら、青柳ういろう」という歌が流れる CM をしょっちゅう目にしていた。気になったので青柳ういろうのホームページをチェックしてみたところ、現在は「しろ、くろ、抹茶、上がり、さくら」の 5 種類のようである。コーヒーとゆずはいずこへ。

<<前へ 4142434445|46|47484950 次へ>>