負けるが勝ち
ブログやツイッターをやっている方は、意味不明な苦情を言われたり、非常識なことばを浴びせかけられたりした経験を多少なりともしていると思う。私のサイトはアクセス数がそれほど多くないので、そういう経験はあまりないのだが、先日ちょっと嫌な思いをした。ある人から苦情のメールをいただいたのである。
苦情の内容を詳しく書くことはできないが、簡単に言うと、その人のサイトに勝手にリンクを貼るなという内容だった。これまで、リンクを貼って礼を言われたことはあるが、迷惑だと言われたのは初めてである。もちろん、問題となったリンク先のサイトの内容をけなしたり、内容を変えて引用したりしたものではない。ただ参照サイトとして紹介しただけである。
もともと、Web 上で公表されている情報は、誰もが自由にアクセスできるようになっている。「当サイトはリンクフリーです。自由にリンクしてくださってけっこうです。連絡は要りません」などと記載しているページがあるが、こういう記載がなくても、リンクを貼るのに事前に許可を得る必要がないことはネット社会の常識である。
若いころの私であれば、自分の正当性と相手の非を冷静かつ理論的に説明し、相手に反論の余地がないまでに、徹底的に反撃していたと思う。しかし、何度かそういう対処をして学んだことは、相手がぎゃふんと言うまで叩きのめしても、何もいいことはないということである。たとえ勝ったとしても、それほどいい気分もしないし、何も得るものもない。「負けるが勝ち」が本当に賢い人の対応だと思うようになった。
そういうわけで、該当する箇所とリンクを削除し、その旨を相手に丁寧に伝えた。そのあと、何度も「負けるが勝ち」と自分に言い聞かせた。しかし、あまりにも非常識な言い方をされたことを思い出して、その晩は腹が立って寝つきが悪かった。
アクセスの多い人気ブログを書かれている方や有名人は、きっとこういうことは日常茶飯事であり、「また変な人が何か言ってるよ」くらいの気持ちで笑って受け流してるんだと思う。そうじゃなきゃ、やってられないと思う。「負けるが勝ち」と割り切ろうとしてもなかなか気分がすっきりしない私は、つくづく人間が小さいなあと思ってしまう。時間が経って、ようやく少し気分も晴れてきたが、「負けるが勝ち」を完全に自分のものにするには、まだまだ修行を積む必要がありそうだ。
小さいことは気にすんな。それワカチコワカチコ。
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