Diary 9246 :: That's 談 top > 音楽 > 細胞に浸み込んでいる歌

細胞に浸み込んでいる歌

 先日ラジオを聴いていたら、ハイヒールリンゴさんが、「人にはそれぞれ細胞に浸み込んでいる歌がある」というようなことを言っていた。相方のモモコさんは、気がつくと「あんたがたどこさ、肥後さ、肥後どこさ」と口ずさんでいるそうである。リンゴさんが言うには、「モモコの細胞には『あんたがたどこさ』が浸み込んでいる」のだそうだ。

 細胞に浸み込んでいる歌とは、好きとか嫌いとかを超えて、細胞の奥深くに潜り込み、気が付くと口ずさんでいたり、耳にするとなぜか魂や細胞が反応してしまったりする歌のことなんだろうか。普段よく聴く歌、好きな歌、いい歌とはちょっと違うのだろう。

 細胞に浸み込んでいる歌と言われて、真っ先に思いつくのが阪神ファンにとっての『六甲おろし』である。『六甲おろし』が流れると、阪神ファンの細胞が踊るであろうことは、阪神ファンでない私にもたやすく想像できる。関西に住んでいると、ことあるごとに『六甲おろし』が流れるので、もしかすると『六甲おろし』は私の細胞にもすでに浸み込んでいるのかもしれない。

 もっと広い範囲で、日本人全般の細胞に浸み込んでいる歌と言えば、文部省唱歌とか童謡が挙げられるかもしれない。私の場合、『仰げば尊し』とか『赤とんぼ』を聴くと細胞が反応しているような気がする。東日本大震災の被災地でアマチュアミュージシャンがよく演奏していたのが、『故郷』だった。「うさぎ 追いしかの山」というやつである。悪い歌とは言わないが、誰もが真っ先に「好きな歌」に挙げるような歌でもない。しかし、この歌を聴いて、被災地の多くの方が涙を流していた。私が同じ立場だったら、やっぱり涙があふれ出ていたかもしれない。程度は人によって違うだろうが、『故郷』はあまねく日本人の細胞に浸み込んでいるのかもしれない。ひょっとすると、私が田舎生まれだからそう感じるだけであって、都会生まれで都会育ちの人たちの細胞に『故郷』は浸み込んでいないのかもしれないが。

 細胞に浸み込んでいる歌は、人によっては演歌だったり、校歌だったりするんだろうが、私の細胞がなぜか反応してしまう歌がある。『琵琶湖就航の歌』である。私は滋賀県民でもないし、琵琶湖とも何のかかわりもないのであるが、この歌を聴くとどういったわけか懐かしさを感じて、感傷モードに入ってしまう。


 






trackbacks

当サイトでは、当該記事への言及リンクのないトラックバックは受け付けていません。 この記事にトラックバックをする場合は、トラックバック元の記事に当記事へのリンクを貼ってください。

trackbackURL:

comments

comment form

(Diary 9246 :: That's 談 にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)