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人生で12回目の入院

 大腸にがんの疑いがあるポリープが見つかったことを伝えられたのが10月29日。10月11日に内視鏡検査を受けた際に何も言われなかったので(エントリー「検査結果は異常なし」)、寝耳に水だった。それなら、どうして検査中に切ってくれなかったんだろうと思ったのだが、腫瘍のできている場所がややこしいらしく、これに対応できる病院は関西に2つしかないとのこと。事態は思ったよりも深刻そうだ。先生の勧めに従ってこれに対応できる病院を紹介してもらうことにした。

 紹介してもらった病院で診察を受けさまざまな検査を受けたあと、12月5日に内視鏡による手術を受けることになった。病変の根が深く内視鏡で取りきれなかった場合は別途外科手術が必要になる可能性もあるとのことだった。内視鏡手術の入院期間は最短で3日、最長で7日と言われていた。もちろん、最短の3日で退院できればいちばんよいのだが、外科手術をしなくてもいいのなら7日間の入院でもかまわない。

 12月5日。天にすべてを委ねる気持ちで手術を受ける。術後の先生の説明では、腫瘍は全部取りきれたとのこと。6日間の入院が必要と伝えられる。外科手術はおそらく必要ないだろうとのことでとりあえずほっとした。術後1日半は絶食。術前から合計して66 時間何も食べないことになる。そんなに長時間絶食した経験がないので果たして空腹感に耐えられるか心配だったが、不思議なもので空腹も限度を超えるとほとんど空腹感を感じない。66時間ぶりに食事を取るときには少し緊張した。

 12月9日の朝早くに退院してもいいと言われ、5泊6日の入院生活が終わった。私は子どものころから何度も入院を経験しており、数えてみたら、8時間の開頭手術を含めて今回で12回目の入院だった(うち4回は1泊2日の入院)。入院生活には慣れっこなのだが、できればこれを最後の入院にしたい。

 今回の腫瘍の発見のきっかけになったのは、2年前に感じた横腹の違和感である(エントリー「胃カメラ初体験」)。「何でもないと思いますが、念のため内視鏡検査をしておきませんか?」という先生のことばに従って内視鏡検査を受けた。結局その違和感自体は何でもなかったのだが、そのときに小さなポリープが見つかったため毎年1回内視鏡検査を受けることになったのである。2年前に先生が内視鏡検査を受けるように言ってくれなかったら、そしてその検査でポリープが見つからなかったら、今回の腫瘍は手遅れになるまで見つからなかったかもしれない。今回内視鏡手術をしてくれた先生も「早期発見だったので本当によかった」とのこと。今回の処置に導いてくれたすべての事象に感謝。

 昨日退院後初の診察を受け、2回目の(外科)手術は完全に必要ないことが判明。今後も定期的に検査は必要だが、とりあえず今回の一連の治療はすべて終わった。今の仕事をするようになってから、健康診断や人間ドックといったものは一切受けたことがなかったのだが、これを機に今後は毎年健康診断を受けようと思う。もう若くないのだから。備えあれば憂いなし。

朔日餅を完全制覇

 赤福に朔日餅なるものが存在することはずっと前から知っていた。しかし、それは単に毎月1日に作られる普通の赤福餅のことだと思っていた。あるときテレビ番組で赤福の朔日餅が取り上げらていて、自分が完全に誤解していたことを知った次第である。

 朔日餅とは、1月を除く毎月1日に赤福で販売される餅。赤福本店および三重、愛知、大阪、兵庫の4府県の直営店でしか購入できない。しかも1日のみの予約販売で、その日に取りに行けない場合は売ってもらえない。わが家から最も近い直営店はJR大阪三越伊勢丹店である(朔日餅@赤福を参照)。ちょうど今年の2月の立春大吉餅から買えたので11種類を完全制覇したいと思ったのだが、毎月1日に餅を取りに行くのはけっこう大変だった。妻が仕事の日は仕事の帰りに取りに行ってもらったのだが、1日がいつも平日だとは限らないので、私も何度かわざわざ大阪まで朔日餅を取りに行ったことがある。

 そして今日12月1日は今年最後の朔日餅の日。12月の朔日餅は雪餅だった。これで、全11種類の朔日餅を完全制覇したことになる。大したことではないが、ちょっとしたやり遂げた感がある。

赤福の12月の朔日餅(雪餅)

 朔日餅はどの月も美味しかったのだが、あえて私のベスト3を選んでみることにする。

第1位: 10月(栗餅)
赤福の10月の朔日餅(栗餅)

第2位: 5月(かしわ餅)
赤福の5月の朔日餅(かしわ餅)

第3位: 4月(さくら餅)
赤福の4月の朔日餅(さくら餅)

 来年も毎月買えるかどうかはわからないが、特に美味しかった月のはできれば買いたい。朔日餅の全11種類の写真はこちら

脚力の衰えを実感

五月山(手前は猪名川)

 11月になって寒い日が続いていたが昨日はぽかぽかの小春日。散歩を兼ねて五月山のハイキングコースに挑戦してみた。初めてなので、とりあえずいちばん楽そうなコースを選んでみた。五月山は標高わずか315.1 mの低い山。毎日そこそこの距離を歩いているので、これくらいどうってことはないだろうと思って歩き始めたのだが、その考えが甘かったことはすぐにわかった。想像以上に大変で息切れがする。ハイキングと言うより軽めの登山といった感じだ。平地を歩くのとは全然負荷が違う。

五月山のハイキングコース

 あまりにしんどかったので途中で引き返すことにした。若い頃だったらたぶん簡単に登れたと思うが、加齢とともに脚力が確実に低下していることを実感。鍛え直して、また別の日に挑戦したいと思う。

 昨年末から始めたバーチャル奥の細道の旅も昨日現在で1,014.73 km歩いたことになる。現在位置は羽黒山のあたり。もう少しで日本海に出る。今年の目標距離は1,050 kmだったので、これは簡単に達成できそうだ。

 3日ほど前からまた断酒を開始した。日々のウォーキングとは別に、定期的に7~10日ほどの断酒をしている。目的は肝臓を休ませることと減量。アルコールを飲むとついついつまみを食べ過ぎてカロリーオーバになるので、定期的な断酒は減量にまあまあの効果がある。今回の断酒は10日間の予定。あと1週間がんばるぞ。


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奥の細道ウォーキング計画の記録

『アラビアのロレンス』とインデアンカレーと夫婦善哉と

 TOHOシネマズなんばに『アラビアのロレンス』を観に行って来た。映画の黄金時代に生まれた特に素晴らしい傑作娯楽作品を選び出し1年間にわたって上映する「新・午前十時の映画祭」という企画で上映された作品である。

新・午前十時の映画祭『アラビアのロレンス』

 この映画を初めて観たのはいつで、どのような形で観たのかははっきり覚えていないのだが、強烈な印象が残っていたので機会があれば、映画館の大スクリーンで観たいと思っていた。午前10時前になんばのTOHOシネマズに到着。CMや映画の予告に続いて『アラビアのロレンス』が始まる。開始して10分ほどでスクリーンにアラビアの砂漠の風景が広がる。この映画、全編の2/3以上が砂漠のシーンなのだが、映画で描き出される砂漠の世界がゾクゾクするほど美しく素晴らしいのである。砂漠を愛し、アラビア人になろうとした男を壮大なスケールで描いた『アラビアのロレンス』を思う存分堪能した。4時間という上映時間の長さを感じることはまったくなかった。

 アラビア人になろうとしたロレンスはアラビア人の心を掴みアラブの英雄と讃えられるのだが、次第に自分がアラビア人にはなれないことに気付いて苦悩する。この映画で描きたかったことは何だと聞かれたら、「結局人間は自分以外の何者かになるなんてことは不可能だということだ」と答えるべきなんだろうか。私には正解はわからないが、砂漠とラクダとアラブの世界を疑似体験できるこの映画が私は大好きだということだけは間違いない。

インデアンカレー

 午後2:00に映画が終わり、インデアンカレー南店に向かう。サラリーマン時代にしょっちゅう食べていた甘くて辛い不思議なカレー。1年ほど食べてなかったので無性に食べたくなった。カレーを食べ終わったあとは、久しぶりにミナミをそぞろ歩きする。少し前にNHKのドラマでやっていた法善寺の夫婦善哉はリニューアルされてきれいになっていたような気がする。

夫婦善哉@法善寺横丁

 新・午前十時の映画祭はほかにも素晴らしい作品が目白押し。『風と共に去りぬ』『2001年宇宙の旅』『ベン・ハー』は是非観たい。また、「『ニュー・シネマ・パラダイス』もおもいしろいので是非」と薦めてくれた人もいたので、時間があればこれも観てみたいし、『フォレスト・ガンプ/一期一会』も観たことがないので、できればこれも観てみたい。新・午前十時の映画祭の上映作品一覧はこちら

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検査結果は異常なし

 嫌で嫌でたまらなかった大腸の内視鏡検査がようやく終わった。結果は異常なし。昨年の7月に大腸検査でポリープが見つかり、1 年に 1 回検査を受けるように言われたのである(エントリー「今度は大腸カメラ」)。本当なら7月に受けなければならないところを仕事が忙しいとか嘘を言って先延ばしにしてきたのだが、とうとう引き延ばすことができなくなった次第である。

 検査の結果についてはまったく心配していなかった。1 年前に検査をしたばかりなので、少なくとも手遅れみたいな状態にはなっていないはずである。しかし、1年前のあの苦しさと、前日の検査食、下剤による長時間の下痢状態を思い出すと、1 週間前からもう憂鬱で仕方がなかった。

 今回、検査そのものは意外とあっさり終わった感じがする。最初若干痛かったものの、麻酔が効いていたせいか気がついたら終わっていた。検査そのものよりも、2時間ずっと下剤を飲みっぱなしとそれに伴うトイレと病室の往復のほうがしんどかったかもしれない。何はともあれ、無事検査が終わり、何の異常も見つからなかったのでよかったよかった。とりあえず、1 年間はあの苦しさを味わわなくて済む。まあ、いくら嫌でも、「あんな思いをするくらいなら死んだほうがまし」などとはまだまだ思えないので、検査を受けるのを止めることはないと思うが。

 昨年も書いたが、こうやって日々健康で仕事できることは本当にありがたいことである。今日こうやって生かされていることに再度感謝。

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