『モンスター』は怖くて悲しい話でした
百田尚樹さんの『モンスター』を読み終える。この小説を読みたいと思ったのは、MBSラジオ「ありがとう浜村淳です」の映画サロンで紹介された映画『モンスター』のストーリーがあまりにもおもしろそうだったからである。
『モンスター』の主人公はあまりにも醜く不細工だったため、子どものころ「化け物」「モンスター」と呼ばれていた。その主人公が整形手術を繰り返し、誰もが見とれるような絶世の美女に生まれ変わって生まれ故郷の町に帰って来るところから話は始まる。主人公が子どものころどれほどつらい思いをしたか、そして美しくなるためにどれほどの努力をしたかが回想形式で綴られており、あまりにもの壮絶さに胸が苦しくなる。とっても怖くて悲しい話だった。
浜村さんの「聴く映画」(浜村さんの映画サロンのコーナーは、まるで映画を「聴いて」いるような臨場感で映画の世界に入り込んでしまうので、私は勝手に「聴く映画」と呼んでいる)で聴いたとおりに、ゾクゾクするようなおもしろさで、あっという間に読み終えてしまった。男の私には女性の気持ちはよくわからないのだが、そして整形を否定するわけではないのだが、そこまで美しさを追求しなくも、ほどほどでいいんじゃないのと思ってしまう。『モンスター』は男性も女性も興味深く読める小説だと思う。お勧めです。
百田さんと言えば、現在公開中の映画『永遠の0』が大評判だ。「ここ数年観た映画の中でいちばん感動した」と言っていた人もいた。映画を観る前に原作を読んでみたいのだが、なかなか読む時間がないため、読み終わるころには劇場公開が終わってしまいそうだ。読んでから観るか、観てから読むか。悩ましいところである。
余談だが、百田さんは現在川西市在住とのこと。同じ川西市に住むものとして、今後百田さんの作品をいろいろ読破していきたいなあと思っているところです。
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