政治家センセイのジョーシキ
最近、いろんな政治家の失言が問題になっている。たしかに、先日辞任した柳田元法務大臣の発言は言語道断であるが、ことさら目くじらを立てるようなことでもないと思う。もちろん非難すべきことではあるが、政治家のこの手の問題発言は今に始まったことではないし、もう聞き飽きた。
民主党議員の問題発言を得意げに非難している自民党を見ていると、そんなことに必死になるよりも、もっとやるべきことがあるだろうと思ってしまう。見逃すことができないのは理解できるが、それでは野党時代の民主党と同じである。きっと、与党議員の失言を徹底的に非難するのは政治家センセイのジョーシキなんだろうが、「そんなことどうでもいい」と言ってのける非常識な先生がひとりくらいいてもいいと思う。
「人のふり見て我がふり直せ」ではないが、そんな小さいことなど問題にせずに、もっと建設的な意見を出して本質的な部分で議論を戦わせれば、自民党に対する国民の目も変わるのにと思う。せっかく、民主党政権という悪い見本のおかげで、過去の自分たちの悪かったところを客観的に反省できる機会だというのに、残念でしかたがない。
私は決して、自民党を応援しているわけではない。民主党だけが悪いと思っているわけでもない。テレビなどで政治家センセイの発言を聞いていると、「なるほどなあ」と思うようなことや「それはいい政策だ」と思えるような、まっとうな意見も多い。しかし、そういう立派なことを言うセンセイたちも、いざとなると言動が一致しない。そして、「これが政治のジョーシキだ」と言わんばかりに、どういう理由で実現が難しいのか、何が問題なのかを、政治家の独特の理論に基づいて得意げに語る。
しかし、こんなジョーシキの塊のような政治家にはもううんざりだ。これまでの因習にとらわれない KY で非常識な政治家の出現を期待する。
一般的に、政治家としてのジョーシキに毒されていない常識を持った政治家は、ほかの議員から馬鹿にされたり、議会から嫌われたりという傾向にある。橋下大阪府知事は決して政治家のジョーシキに染まることなく、非常識な政治家のいい見本になってほしいと思う。