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おらは死んじまっただァ

 予定していたよりも仕事が早く終ったため、先日図書館で借りてきた『昭和レトロ語辞典』を手に取り、興味のある項目を読んでみる。タイトルは辞典となっているが、昭和 30 年から 42 年の間に流行したことばとその背景について解説した読み物である。

4062138131昭和レトロ語辞典
清野 恵美子
講談社 2007-02-07

by G-Tools

 私が生まれた年は昭和 35 年である。昭和 30 ~ 38 年ごろまでの事象は、知識としては知ってはいるが、リアルタイムで体験したわけでない。かろうじて、何となく覚えているかなというのが昭和 38 年ごろからである。『昭和レトロ語辞典』に紹介されている流行語の中で、実体験として強烈に印象に残っているものが 2 つあった。

 まずは昭和 38 年に流行したという「シェー」。これは赤塚不二夫の代表作『おそ松くん』から生まれた流行語。漫画の登場人物のひとりであるイヤミは、おフランス帰りを鼻にかけたいやみなやつで、びっくりすると独特のポーズで「シェー」という奇声を発する。当時の子どもたちは、皆イヤミのポーズを真似て、「シェー」とやったものである。子どものときに撮った写真に、「シェー」のポーズをして写っているものがあるくらいだから相当流行したんだろう。

 もう 1 つの印象に残っている流行語は「おらは死んじまっただァ」。これは、昭和 42 年に大ヒットしたフォーク・クルセダーズの『帰って来たヨッパライ』の歌い出しの部分である。当時 280 万枚売れたらしく、強烈に記憶に残っている。テープの早回しといい、ふざけた歌詞といい、奇想天外な曲だった。当時、だれもが「おらは死んじまっただァ」と口ずさんでいた。

 当時はまったく知らなかったのだが、『帰ってきたヨッパライ』は歌詞の内容以外にも、遊び心がいっぱい詰まった曲だったようである。たとえば、「天国よいとこ一度はおいで」という部分は、「草津良いとこ一度はおいで」をもじった歌詞だったらしい。また、最後の僧侶の読経部分には、「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! (A Hard Day's Night)」の歌詞が盛り込まれていたり(お経風に「It's been a hard day's night」と言っている)、曲の締めくくりは、「エリーゼのために」のフェードアウトになっていたりする。フォーク・クルセダーズの偉大さを再認識した 1 日だった。

4 月 1 日生まれはなぜ前年度の学年に組み込まれるのか

 私は 4 月 11 日生まれである。これまで、同級生で私よりも誕生日が早かった人は、私の知る限りひとりもいなかった。当然のことだが、同級生の中でいちばん早く年を取る。若いころは何とも思わなかったが、最近はどうもおもしろくない。私は昨年の 4 月に 50 歳になったのだが、同級生の中にはまだ 49 歳の者がいる。なんだかずるいなあと思ってしまう(本当は何もずるくないが)。4 月生まれは損だ。

 そんな 4 月生まれの中に、唯一例外の日がある。4 月 1 日生まれだ。同級生にも 4 月 1 日生まれの者がいた。しかし、誰もが知っているように、4 月 1 日生まれは前年度の学年に組み込まれるので、学年の中でいちばん遅く生まれた者ということになる。学校の年度は 4 月 1 日から始まるのに、なぜこういうことになるんだろうと、ずっと不思議に思っていた。

 一昨日、『鶴瓶の超ゆる~い会議』という番組で「なぜ 4 月 2 日生まれから学年が変わるの!?」という話題を取り上げていた。その理由を知って、何度も「へえ~」とうなってしまった。ここ数年でいちばん「へえ~」と思ったと言ってもいいくらいだ。

 それは、「年齢計算ニ関スル法律」の定めにによるとのことだった。この法律によると「年齢の加算は誕生日の前日に行う」となっている。つまり、私たち日本人は、誕生日ではなくその前日(厳密に言うと、誕生日の前日の 24 時)に年をとるということになる。

 この規定に従うと、4 月 1 日生まれの人に年齢が加算されるのは 3 月 31 日である。たとえば、小学校の就学規定が、「4 月 1 日から翌年 3 月 31 日までに満 6 歳になった児童」であるとすると、学校の年度は、4 月 1 日 ~ 3 月 31 日であっても、対象となる児童は 4 月 2 日から翌年 4 月 1 日に生まれた者ということになる。なるほどねえ。

 それでは、そもそも、なぜ誕生日ではなく、誕生日の前日に年齢を加算しないといけないのか。それは、うるう年、つまり 2 月 29 日が存在するからである。「誕生日に年齢を加算する」と定めると、2 月 29 日生まれの者は、法的には 4 年に 1 歳しか年をとらないことになる。このような不都合を解消するための措置だとのこと。うまいこと考えたものだ。私の中の「なるほどメーター」の針は振れまくり。

 番組で取り上げていた話題で、もう 1 つ興味深いものがあった。それは「なぜ最近、月に行かないのか? 」だ。番組では、「月に行くには莫大な金がかかるからである」(財政的な理由)と結論付けていた。「本当は、人類はまだ月に行ってないからやろ~」と私はつぶやいた。以前から、「人類は本当は月に行っていない」という説を唱える人たちがいるが、わたしは密かにその説を支持してる者のひとりである。 

ビューティコロシアム

 わが家のテレビ番組の選択権はほぼ 100% 私にあるのだが、何があっても妻が譲ってくれない番組がある。それは、昨夜フジテレビで放送していた「ビューティコロシアム」だ。妻は、この番組を楽しみにしており、残業などで遅くなるときなどは録画してまで見ている。簡単に言うと、美容業界のプロが、自分の容姿で悩んでいる女性を美しく変身させる番組である。ダイエットの支援をすることもあるが、たいていは整形手術を伴う。

 しかし、私はこの番組があまり好きではない。番組では、まず美しくなりたいと願っている女性が、これまで容姿のことでどれだけつらい思いをしてきたかをぶちまける。しかし、この番組に出演する女性の大半は、どこでもいるようなごく普通の女性に私には見える。こういう番組に応募するくらいだから、決して美人とは呼べないが、この世のものとは思えないほどひどい容姿ではない。「普通」という範疇に入れても差支えがないと思う。

 番組では、そんな彼女たちが悩みを打ち明ける際にできるだけ不細工に見えるように、最大限の演出を行っている。ノーメークで髪の毛はぼさぼさ、服装はこれでもかというほどの小汚い格好をさせている。太り気味の人であれば、より太く見えるような服装をさせている。きれいになったときとの差が際立つように、「最初はできるだけ汚く」という演出なんだろう。テレビ番組なんだからある程度のことは仕方ないにしても、なんだかなあと思ってしまう。

 女性が悩みや過去のつらい体験をひととおり打ち明けたら、美容のプロたちとのご対面となる。そして、美容のプロの手によって美しく変身した女性が登場する。スタジオのゲストタレントは異口同音に「きれいになった」と感嘆する。

 そりゃ、メーク、ヘアーメーク、スタイリスト、美容外科といった分野の超一流のプロが、自分の威信をかけて、よってたかってひとりの女性を改良するのだから、きれいにもなるだろう。ゲストタレントたちの感嘆を聞いているとそんなことを言いたくなってしまう。

 私が気に入らないのは、たいていの女性が安易に整形をしていることである。変身後の彼女たちの顔が、私にはどうしても画一的に見えてしまう。サイボーグのような、アンドロイドのような、なんだか不自然な美人に見えて仕方がない。もちろん、整形を一切するなというつもりはない。昨日の出演者のように、あごのかみ合わせや、顔のゆがみなど、骨格に先天的な問題がある場合は、手術すればいい。ちょっと顔をいじれば、前向きに明るく生きられるのあれば、多少いじってもかまわないと思う。

 変身してきれいになった女性が再度スタジオに登場するときは、「これで前向きに生きていけます」のようなことばとともに現れる。目がはれぼったい。鼻がぺちゃんこ。あごがしゃくれている。そういうことが彼女たちの本当の問題だったのだろうか。そして、整形によって本当に問題が解決し、今は前向きに明るく生きているんだろうか。美しく変身した彼女たちのその後が気になる。

ペンギン(辺銀)食堂の石垣島ラー油

 思いがけないことから、ペンギン(辺銀)食堂の石垣島ラー油を手に入れることができて、ハッピーな気分になっている。石垣島ラー油は、生産量と販売店の少なさから「幻のラー油」とも呼ばれている。特に辺銀食堂のものが有名らしく、以前テレビ(何の番組だったかは忘れた)で、半年待ちとか 1 年待ちとか言っていたような気がする。そんな有名なラー油が、川西の沖縄セレクトショップ「琉球酒豪伝説 GTO」という店で手に入ったのだ。

 グレート・ティーチャー・オニツカみたいな、ちょっと風変わりな名前のこのショップを訪れたのは 1 週間ほど前だった。店の存在は 1 年ほど前から知っていた。前から興味はあったのだが、店内に足を踏み入れるのには少々勇気がいる雰囲気をかもし出していた。

 その GTO に行ってみようと思ったのは、急に沖縄の塩せんべいが食べたくなったからである。店内には、シーサーの置物やら、沖縄の食材やらが品よく並んでいた。残念ながら塩せんべいは置いていなかったので、ゴーヤチャンプルーチップ(写真はこちら)を買ってみた。

琉球酒豪伝説 GTO の店内

琉球酒豪伝説 GTO の店内

 石垣島のラー油は置いてないよなあ。そう思いながらも、だめもとで聞いてみると、近々入荷するという。どんなことでも聞いてみるものだ。入荷後すぐに売り切れるとのことだったので、迷わず予約した。

 入荷予定日の翌日、石垣島のラー油をいそいそと取りに行った。内容量は 100 g とやや少な目。これで、1,500 円は少々お高い気もするが、幻のラー油なんだから仕方がないか。以前に流行った食べるラー油みたいに具材がひたひた状態にはなっていない。具材は全体の 1/3 程度で底に沈殿している。いかにもおいしそうなラー油だ。

ペンギン(辺銀)食堂の石垣島ラー油

ペンギン(辺銀)食堂の石垣島ラー油

 残念ながら、昨夜の夕飯はラー油にふさわしいメニューではなかったが、八宝菜に無理やりかけてみた。風味がすごくいい。妻も「やっぱり、この前手作りした 190 円の安もんとは全然違うなあ」とひとこと(2 月 15 日の「食べるラー油作りを候文にて」を参照)。

八宝菜 + 石垣島ラー油

八宝菜に石垣島ラー油をかけてみる

 瓶のラベルには、「餃子のタレはもちろん、ラーメンやスープ、炒めものや和えなどお好みでどうぞ」と書いてある。やっぱりまずは、餃子で試してみたい。塩ラーメンなどの薄味のラーメンに入れても絶対にうまいに違いない。たかがラー油でテンション上げ過ぎの気がしないでもないが、それもこれもきっかけは塩せんべい。GTO さん、塩せんべいも是非置いてくださいね。

がんばれテレ東

「またテレ東?ほんまにテレ東好きやあなあ」
先日、テレビ東京の「カンブリア宮殿」を見ていたら、妻からこんなことを言われた。

 不景気になってから、テレビ番組の劣化がますます進行している。バラエティ番組では、どのチャンネルに変えても、同じような顔ぶれで、同じような内容のことをやっている。今クールに関しては、おもしろい(おもしろそうな)ドラマも 1 つもない。野球のオフシーズンになる 11 月から 3 月までは、本当に見たいと思える番組が少ない。

 そんな中で、がんばって比較的おもしろい番組を作っているなあと思うのがテレビ東京だ。冒頭に挙げた「カンブリア宮殿」も私が好きな番組の 1 つである。「ニュースが伝えない日本経済」というキャッチフレーズを掲げる同番組は、日本で成功を収めている経済人を迎えて村上龍氏がインタビューを行うトークショー。

 カンブリア宮殿以外にも、ガイアの夜明けやワールドビジネスサテライトなど、テレビ東京はこの手のビジネス・経済系の番組に力を入れている。ほかの民放には見られない特徴だ。

 テレビ東京の番組は長く続いているものが多い。「出没!アド街ック天国」は、いったいいつからやってるんだというくらい古い番組だ。テレビ業界のことはよくわからないが、テレビ東京では、視聴率が多少悪くても、「一度始めたものはできるだけ長く続けて、よりよいものにしていこう」という方針で番組制作に取り組んでいるような印象を与える。

 もちろん、テレビ東京にもくだらない番組はあるが、それでもほかの大手民放局とは異なる特徴を打ち出していると思う。ちょっと異質なテレビ局である。テレビ東京を応援する意味で、同局の番組を勝手にランキングしてみることにした。
 
くにしろが選ぶテレビ東京の番組ベスト 5

  1. カンブリア宮殿
  2. 日経スペシャル ガイアの夜明け
  3. ワールドビジネスサテライト
  4. たけしのニッポンのミカタ
  5. もやもやサマーズ 2
  • 番外編: きらきらアフロ(ベスト 5 に入れたかったが、厳密に言うとテレビ大阪の制作であるため番外扱いにした)

これからもその調子で、がんばれテレ東!

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