ゼロの焦点

 昨夜は、これといっておもしろいい番組をやっていなかったので、録画しておいた『ゼロの焦点』を見ることにした。松本清張生誕100年を記念して、2009 年に制作された作品らしい。主演は広末涼子。

「ゼロ焦でも見ようかな」と言うと、「ゼロ焦って何?」と妻が聞く。
「松本清張の『ゼロの焦点』。この前やってたやつ」
「それっておもしろいん?どんな話?」
「松本清張の代表作やで。詳しくは覚えてないけど、兵庫県の西脇市が出てくる話やと思う。おもしろいと思うで」

『ゼロの焦点』は中学生のときに読んだことがある。当時、松本清張の一連の作品を夢中になって読んだ記憶はあるが、個々の作品のあらすじまでは覚えていない。ストーリーが進行するうちに、「そうそう、こんな感じの話やった」と部分的に記憶がよみがえってきた。しかし、物語の舞台の中心は金沢であり、いつになっても西脇市が出てこない。当時中学生だった私は、『ゼロの焦点』を読んで、日本のへそと言われる西脇市の存在を知ったのだ。

「おかしいなあ。いつ西脇が出てくるんやろ」
「せやけど、どう考えても西脇が出てくる展開やないで」
妻の言うとおり、西脇市が出てきそうなストーリー展開ではなかった。

 途中から寝てしまった妻がむくっと起き上がり、「だれが犯人やった」と聞くので、物語の核となる部分を説明してやった。しかし、映画がおもしろかったとか、おもしろくなかったというよりも、私は西脇のことが気になって仕方がない。最後まで西脇は登場しなかったのだ。

「これなあ、原作からかなり話変えてるんと違うかな。原作長すぎるから、西脇の部分省いたんやで。絶対そうや」

 気になることは解明しないと気がすまない私は、早速「ゼロの焦点」と「西脇」をキーワードにググってみた。それらしきものがヒットしないので、今度は「松本清張」と「西脇」をキーワードにしてみた。

 ようやく謎が解けた。西脇市が登場する松本清張の作品は『D の複合』だった。何という思い違い。思い込みいけない。よく考えるよろし。 

B003AVJ8WCゼロの焦点(2枚組) [DVD]
東宝 2010-06-18

by G-Tools






trackbacks

当サイトでは、当該記事への言及リンクのないトラックバックは受け付けていません。 この記事にトラックバックをする場合は、トラックバック元の記事に当記事へのリンクを貼ってください。

trackbackURL:

comments

comment form

(Diary 9246 :: That's 談 にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)